韓国在住14年、Takeさんの韓国情報ブログのバックナンバーです。

Takeさんの韓国見聞録      2007.12.16発行  NO.74

<古くからの友人、韓国をよく理解するための日本人サラリーマン日記>

Takeさん@韓国ソウルです。

2007年もあと数日を残すだけとなり、すでにカウントダウン状態ですが年賀状などの年越し準備は万端でしょうか?今回は私にとっても特別な年越しとなりそうです。なぜならば韓国は旧正月を祝うため、15年もの間、日本で年末年始を送る機会を逃してきたからです。年越しそばや除夜の鐘など、幼い頃の思い出が蘇ってきて、今から楽しみにしている次第です。

今年の世相を現す言葉に「偽」という字が当てられたように、TVを観ると謝罪会見ばかりが目立ったような気がしますが、来年こそは良い歳になるように、お互いに頑張りましょう!!

■本日のサラリーマン日記「私の日韓裸文化論」

日本への帰国に際し、一番心配の種でもあった小学3年の息子は、私の予想を遥かに超える勢いで日本語を習得しています。私が韓国でやってきた1年を1ヶ月で通過しているようで、改めて子供と大人の語学能力の差に驚いています。

そんなある日、「そんなの関係ねぇ~!!」と呪文のように唱えるようになり、聞き捨てならない私は「そんな汚い言葉は使うな~!!」と韓国語で一括したのですが、直ぐさま「そんなの関係ねぇ~!!」と日本語で切り返されてしまいました(笑)

日本の小学校に通い始めて3ヶ月にもならない息子ですが、悪い言葉というのは言語や年齢に関係なく、先に覚えていくものだと痛感している今日この頃です。そう言えば私も韓国語のヨク(悪口)は直ぐに覚えてしまったような気がします。

こんな言葉が流行るようでは、世も末だと嘆いていたのですが、日本にいてもTVをあまり観ない私は、最近になってようやくその流行語の張本人をTVで拝見する事になりました。何でもこの言葉は今年の流行語大賞にノミネートされたとの事。

ビキニパンツ姿の張本人を、TVで初めて観た時の感覚を言葉で表現するのはとても難しく、明らかに一般的な日本人が受ける感覚とは特異な何かを感じたのであります。しかし、それが何だか自分でもよくわかず、それでも何か気になって仕方ありませんでした。

そんな感じで過ごしながら、以前にもメルマガで紹介した事のある司馬遼太郎氏の「街道を行く 韓のくに紀行」を思い出し、次のような一文を見つけた時に「これだ!!」と自分でも妙に納得してしまったのでした。

以下、その部分を抜粋します。

「長刀をふりかざし、素っ裸に褌一本というのが朝鮮一般の「倭」というものの印象であった。朝鮮人は早くから儒教習慣のなかにあったため、男子の裸体というものを非礼と野蛮の極みだと思っている。今でも日本人は大酒をのんだり、労働をしたりするとき、くるりと裸になったりするが、朝鮮人はあれを見て底びえするような軽蔑と不快感と、そして幾分かの恐怖心をもつらしい」

あのビキニパンツ姿の某タレントを、TVで初めて観た時の感覚がまさにこの不快感と恐怖心にも似たような感覚だったのです。やはり15年も向こうで暮らしていると、自分でも知らない内に思考パターンが変わってしまったのでしょうか?

新婚当時には風呂上りにパンツ一枚や、バスタオルだけで部屋をウロウロしていると、家内からよく叱られたものでした。特に目上の方がいる前でこのような行動は自殺行為に匹敵するようで、以前に家内の実家でうっかりと、これをやってしまった時は、大問題となってしまったを今でもよく覚えています。

最近の韓国のTVはかなり露出度が過激になりつつありますが、日本に比べるとまだまだ子供みたいなところがあり、もしもこのタレントが韓国のTVに登場して「そんなの関係ねぇ~!!」とやった時には、どうなるだろうか?と想像してみるだけでも怖いものがあります。

先ほどの司馬先生の指摘にあるように、韓国では儒教を土台にして、クリスチャンや仏教徒も多い事から、TVや書籍等で子供に悪い影響のある場面などが放映されると、抗議の電話や手紙が殺到するからです。

日本は一般のコンビニや書店でも成人用の雑誌が手に入りやすい環境にありますが、韓国では今でも厳しく制限されています。最近はインターネットの影響も大きいので、全てを規制するのは難しいですが、子供を持つ親の立場からすると、日本ももう少し改善する事はできないものかと思うのは私だけはないと思います。

このような感じで、自分でも知らないうちに、良い意味で洗脳されてしまったのかもしれません。私ももう少しすると日本の環境に同化して、これが当たり前のように感じるようになると思うのですが、日本のTVは以前にも増して、世界でも稀にみる低俗ぶりを謳歌しているように思えてなりません。

前置きが長くなり、ようやく本題の裸文化についてお話したいと思うのですが、韓国人の裸体に対する感覚を語る上で、モギョクタン(銭湯)の存在を忘れてはいけません。若い時に日本に留学経験のあるS社長は、私と10年来の付き合いがあるのですが、ある時、モギョクタンでこんな話をしてくれました。「韓国人と日本人は外見はそっくりで区別はつき難いが、風呂に入れば一目でわかる」というのです。

日本男子はタオルやオケであそこ隠そうとしますが、韓国男性は実に堂々としています。韓国のモギョクタンには必ずと言っていいほど、垢すり台がありますが、韓国男性はタオルで前を隠す事もしないで、マグロのように横たわっている姿を初めて見た時は、かなりのカルチャーショックを受けたものでした。

垢すり台以外の場所でも、のぼせて疲れている場合などは、適当に寝そべっている方を大勢見かけるのですが、特に恥ずかしいという感覚は無いらしく、実に自然で堂々している姿に、ただ呆然と圧倒されるだけなのです。

銭湯以外にもう一つ例を挙げると、駅や公園の公衆トイレを比較すると興味深いです。男性ならわかると思いますが、日本の公衆トイレに行くと、卑猥な落書きを一度や二度は見たことがあると思いますが、韓国ではこの手の落書きをあまり見かけません。もちろん全く無いという事ではありませんが、その頻度や割合は日本に比べると、かなり低いのではないか?というのが私の持論です。

これは韓国人の裸体に対する感覚が、日本人のそれに比べてかなり差があるように思えてなりません。日本人は裸体というと何かエッチで、卑猥なイメージとして捉えがちですが、韓国人のそれはより本質的で、どちらかというと芸術家が女性の裸体をモデルにする事に関して、何の恥じらいもない事と同じような感覚があるような気がします。

一頃の韓流ブームは下火になってきたとは言え、未だに韓国ドラマや映画の人気があるのも、このような感覚の違いによって生じるものが、ドラマの中に自然に反映されて、それが日本人にとってはとても新鮮で魅力的に映っているかもしれないと、日本で生活してみて感じている次第です。

■編集後記

ここまで読んで下さり有難うございました。

日本に完全帰国してから数ヶ月が経過しました。まだまだ見るもの聞くもの新鮮な発見があり、韓国人が初めて日本に来ると、こんな風に感じるのではないだろうかと思いを巡らせる事が多々あります。しかし、あと数ヶ月もすればリハビリ期間も終了して、これが当たり前のようになってしまうのだろうとの予想がつき、怖いようでもあり、寂しいようでもあります。今の自分で気がついた事を、こうしてメルマガやブログに記録しておくのは、自分でも頭の整理になるし、後から見直すと楽しいのではないかと期待しています。

話は変わり海を越えた韓国では、あと数日で大統領選挙が行われるわけですが、あの異様な雰囲気は今でも感覚として残っています。コロコロと変わる日本の首相と違い、韓国の大統領選挙は歴史的にも波乱に満ちているので、今回の選挙もどうなるのかとても興味深いです。

それでは皆さん、アンニョンヒケセヨ~!!

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