新型コロナウイルス感染症に関する清掃・消毒について
新型コロナウイルス感染症に関する清掃・消毒について、厚生労働省ホームページ、全国ビルメンテナンス協会からの情報を参考にまとめてみました。
これまでに、人に感染する「コロナウイルス」は、7種類見つかっており、その中の一つが、昨年12 月以降に大きな社会問題となっている「新型コロナウイルス」です。新型コロナウイルス感染症の感染経路は、飛沫感染と接触感染とされています。
飛沫感染 | 感染した人の咳やくしゃみのしぶき(飛沫)に含まれるウイルスを吸い込むことによる感染 |
接触感染 | ウイルスが付着した手で目・口・鼻などを触ることによる感染 |
感染を防止するため、家庭や施設内においては、手指がよく触れる場所を中心に、清潔に保つことが大切です。手など皮膚の消毒を行う場合には消毒用エタノールを、物の表面の消毒には消毒用エタノールや次亜塩素酸ナトリウムを使用します。
1.清掃の基本と消毒について全国ビルメンテナンス協会から発刊された「病院清掃の基本と実務」には、環境感染制御のあり方として「目に見える汚れを除去するという概念が必要である」と記載されています。また、消毒処理の前提条件として「清掃」が必要であり、「汚れの残った場所を消毒薬で処理してもその効果は期待できない」と記載されています。(参考:「病院清掃の基本と実務」全国ビルメンテナンス協会) 清掃が不十分で埃や汚れなどが充分にとれていない場合や、汚れが蓄積されている場合は、消毒の効果が充分に得られないということになりますので、効果的な消毒は、清掃とセットでおこなうことが重要となります。 |
2.厚生労働省が示す消毒・清掃の方法について厚生労働省ホームページには、「新型コロナウイルスの感染が疑われる人がいる場合の家庭内での注意事項」として、取っ手、ドアノブなど共有する部分を消毒する方法について「0.05%の次亜塩素酸ナトリウムで拭いた後、水拭きするか、アルコールで拭く」と記載されています。 また、厚生労働省のホームページ「社会福祉施設等における感染拡大防止のための留意点について」の中で、新型コロナウイルス感染が疑われる者の居室、共用スペースについては、「消毒・清掃を実施」することとなっており、その方法として「手袋を着用し、消毒用エタノールで清拭」または「次亜塩素酸ナトリウム液で清拭後、湿式清掃し、乾燥」させることと記されています。 注意点として、次亜塩素酸を含む消毒薬の噴霧については、吸引すると有害で、効果が不確実であることから行わないこととなっています。(参考:厚生労働省ホームページ) 厚生労働省が示す新型コロナウイルス感染の拡大防止のための消毒・清掃は、社会福祉施設でも家庭でも同様となっており、次亜塩素酸ナトリウムまたはアルコールを使用して手指がよく触れる部分を清拭することが基本となります。 |
3.消毒・清掃方法のまとめ
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主な消毒場所一覧 | ||
場所 | 消毒場所 | |
家庭・職場 | 居間・食事部屋 | ドアノブ、窓の取手、照明のスイッチ、ソファー、テーブル、椅子、電話機、パソコンのキーボードやマウス、おもちゃ、壁、床など |
台所・トイレ・浴室 | 水道の蛇口、シャワーヘッド、浴槽、洗面器、ドアノブ、窓の取手、照明のスイッチ、排水溝、便器のフタ、便座、流水レバー、壁、床など | |
職場や集合住宅の共用部分 | エレベーターやエスカレーター | エレベーターの呼び出しボタン、停止階ボタン、エスカレーターの手すり部分 |
建物の出入り口 | ドアノブ、ハンドル、セキュリティー対応のオートロックボタンなど不特定の人が触れる部分 |
4.消毒の注意点
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5.消毒液の作り方
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一般的な消毒 | 対象:ドアノブや手すりなど | 濃度:0.05% |
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特に気になる部分の消毒 |
対象:嘔吐物が付着した床など | 濃度:0.1% |
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市販の塩素系漂白剤については、商品ごとに濃度に違いがあるようですので、厚生労働省がまとめた下記の表も参考にしてみてください。