韓国在住14年、Takeさんの韓国情報ブログのバックナンバーです。

Takeさんの韓国見聞録      2006.09.15発行  NO.53

<古くからの友人、韓国をよく理解するための日本人サラリーマン日記>

Takeさん@韓国ソウルです。

日本はまだまだ残暑が厳しいかもしれませんが、ソウルでは朝晩にかけてかなり涼しくなってきました。今の季節は昼間と夜の気温差が本当に大きく体調を崩しやすいで注意しなければいけません。私の周囲でもくしゃみや鼻水で苦労している社員を多く見かけるようになりました。会社の窓からは遠くに北漢山が見えるのですが、仕事など放り出してのんびり山登りでもしたくなる季節でもあります。

■本日のサラリーマン日記「韓国で観た邦画 日本沈没」

先週の土曜日に胛鴎亭CGVにて友人と邦画「日本地没」を観てきました。この映画は韓国でも話題になり一時は「グエムル 漢江(ハンガン)の怪物」を抜いて興行成績が一位になったくらい注目を集めました。その日は週末と言うこともあったと思いますが、前の方の一部を除いてほぼ満席状態でした。

始まる前に隣に座っていた若いカップルから「日本なんて沈没してしまったらいいよな~、、、」との会話が耳に入ってきて、ガクッと落ち込みモードで映画を観始めました。

少し後で紹介しますが、この映画の感想は「面白くない最悪の映画」との悪評が圧倒的に多いです。それでもある程度の観客が集まる理由としては一度くらいは観てみたいという好奇心がかなり強く手伝っていると思われます。

つまり、この映画の人気のウラには先ほどのカップルではないですが「日本なんて沈んでしまえばいい」という心理が微妙に働いていて、さらには「地震がなくて日本よりも安全な国であるウリナラ」を感じて優越感に浸りたいという深層心理があるのかもしれません。

始めて聞く方もいるかもしれませんが、韓国には地震がありません。もちろんまったく無いというわけではありませんが、私が14年間暮らしている中で体に感じる地震はたった一回しかありませんでした。

つまり地震という存在は韓国人にとっては未体験ゾーンというか未知なる存在なのです。私の家内も日本に行った時に地震を一度だけ体験しましたが、その時は近所に聞こえるくらいに悲鳴を上げて怖がっていたのを今でもよく覚えています。

日本では昔から「地震、雷、火事、親父」と言われるくらい、地震は身近なものでした。そのような自然環境がその国の文化や習慣、思考方法に与える影響は大きいと思われます。

日本はこの地震があるが故に「女心と秋の空」という言葉に代表される様な常に揺れ動く不安定な女性気質の心理状態を作ってきたというようなコラムを読んだ事がありますが、実際に地震のない国で生活してみるとその事が何となくわかるようになりました。

朝鮮半島はユーラシア大陸にしっかりと根付いていて微動だにしないわけですが、それがこの国特有の男性気質の性格を形成するに至った原因の一つとして決して否定できないものではないと私は思っています。それが幸なのか不幸なのかはわかりませんが地震大国である日本から見ると羨ましいという事になるのではないでしょうか?

ただ、日本は地震という厳しい環境が故に世界でも類を見ない建築技術を磨いてきた事は確かだと思います。私のよく知っている建築会社の理事さんは「姉歯さん(耐震強度偽装事件の)も韓国だったら捕まらなかったのにね、、、」と冗談を言っていた事を思い出しました。

話は少し横道にそれてしまいましたが、邦画「日本沈没」に関する韓国人の感想は以下のサイトが参考になると思います。ハングルなので解読するのは大変かもしれませんが、翻訳サイトを利用すれば雰囲気は掴めるでしょう。

http://kr.movies.yahoo.com/Movie/MovieInfo/movie_view.php?movie_id=20273

http://movie.naver.com/movie/board/review/list.nhn?st=code&sword=60166

かなり手厳しい意見が書かれていますが、あまり真に受けないで下さい。そんな中で興味深い感想があったので一部を翻訳して紹介しておきます。

http://kr.movies.yahoo.com/Community/Netizen_Review/review_read.php?no=14125

「私は反日活動家でもなかったが腹の中から深く沸いてきた反日感情にびっくりしました。日本人たちがお手上げで海と土中に消える姿にしきりにほほ笑みが出てきて楽しくなる事を予想することができなかった私の姿に、面白くもない映画を見た後の腹立たしさに劣らない困惑感が残ってしまい考えるのもイヤな映画でした」

一時の感情的な感想が多い中で、この方は自分に正直な方だと思いました。本当に大切な友人は居なくなってしまった時に始めてわかる、、、という事が現実の人間関係の中でもあるかと思いますが、お互いに悪口を言い合って喧嘩していてもどこか一点でお互いに理解し合える部分があると信じたいですネ。

今の世界情勢を考えると日本が沈没して多くの難民が韓国や中国のお世話になる事よりも、北朝鮮が暴走して多くの韓国人が日本に非難してくるという確立が遥かに高いように思えるのですが如何でしょうか?いずれにしても一人でも多くの人が助かるようにお互いに協力できるようにしていきたいものです。

もしも日本が沈没するようになったら、このメルマガの読者の方に限り私が韓国で面倒を見てあげるので心配しないで下さい(笑)。

■編集後記

ここまで読んで下さり有難うございました。

新入社員S君のおかげで日本ドラマにはまっていますが、最近のドラマは知らない俳優ばかりでどうもピンときません。今回、観た日本沈没でも知っている俳優は石坂浩二と柄本明くらいでしょうか?私にはやはり小林桂樹と丹波哲郎のコンビが印象的でした。そう言えば石坂浩二の髪型や雰囲気が妙に小泉首相と似ていましたね。これを観ただけで韓国人の気分が悪くなるのではないか?と心配したのは私だけではないと思います。あと、私の隣に座っていた例の若いカップルですが、映画の中で美咲ちゃんという難民少女の母親が亡くなるシーンではウルウルしていたので少しは救われた気分になりました。

それでは皆さん、アンニョンヒケセヨ~!!

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