韓国在住14年、Takeさんの韓国情報ブログのバックナンバーです。
Takeさんの韓国見聞録 2009.03.28発行 NO.81
<古くからの友人、韓国をよく理解するための日本人サラリーマン日記>
Takeさん@韓国ソウルです。
忘れた頃にやってくる「Takeさんの韓国見聞録」です。気がついてみると今年、初めてのメルマガになってしまいました。いつの間にか桜の季節になり、近所の公園に咲いているケナリ(連翹)を見るたびに韓国を思い出します。今頃はソウルでも黄色いケナリが咲きほこっている事でしょう。
侍ジャパンの活躍が未だに記憶に新しいですが、日本以上に韓国でも盛り上がっていたようです。丁度、韓国から出張で日本に来られている方がいましたが、会議中でも常にネットで状況を確認しておりました。彼曰くイチローと小笠原を観ていると、日本のサムライというものが何となくイメージできるとの事でした。
■本日のサラリーマン日記「日韓野球戦争」
第2回ワールドベースボールクラシック(WBC)が終わりました。延長戦の果てに日本が優勝し、気がついてみたら何と5回も日韓戦が行われた事になり、戦績は3勝2敗。何とも凄まじい展開でした。
WBCを提案した主催国であるアメリカは、今回も優勝を逃し、終わってみると日本と韓国ばかりが目立ったと感じるのは私だけでしょうか?
思い起こせば前回の大会は韓国で観戦していたわけで、日本が韓国に負けた時に、例のマウンド旗立て事件のパフォーマンスには、流石の私も何かすっきりしない思いで出社した事を今でもよく覚えております。
韓国で生活していた時は野球だけでなく、サッカーなどを含めた日韓戦は勝っても、負けても何かと気を使う事が多く、相手をよく見ながら対応しました。
日本が勝てば昼飯を奢ってくれ!!とせがまれるし、韓国が勝つと否応なしに入ってくるTVや新聞のゴシップにブルーになったものでした。今回は日本での観戦だったので、言うまでもなく周囲は全員、日本の味方であり、何の気兼ねなく過ごす事ができるのは、やはり有難い事だと実感しています。
今回も韓国メディアの報道ぶりが気になって、ネットで検索してみると以前と変わらない激しい論調が展開されています。日本に居ながら見る分には冷静でいられますが、敵国に入っているとこれが中々、難しいものです。
たかがスポーツという事なのですが、余りにも酷い表現には呆れてしまう事もありました。
日本が純粋なスポーツとして楽しんでいるのに比べて、韓国ではまさしく戦争をしているような、負ければ生きて帰ってこれないような悲壮感さえ感じられます。
野球でもサッカーでも国内のリーグ戦は閑古鳥ですが、日本を始めとした国際試合になると、異様にヒートUPするあの雰囲気はスポーツに対する両国の文化の違いが表れていてとても興味深いです。
日本のイチロー選手もかなり日の丸を意識していたように感じますが、韓国選手の比ではありません。私には韓国選手が可愛そうになるくらい相当なプレッシャーを受けていた事がよくわかります。
それは日本と韓国の野球人口を見てみれば一目瞭然であり、韓国選手はまさしくエリート中のエリートなわけです。日本は4000校近くの高校に野球部があり、春夏の甲子園大会は今年で81回目を迎え、プロ野球は70年を超える歴史を持っています。
対する韓国はというと韓国高校チーム数は50校程度に過ぎないし、全国各地の少年野球チームの活動も、韓国は日本に比べてはるかに遅れています。韓国プロ野球の歴史も30年程度しかありません。このような背景を知ると、今の韓国野球の健闘ぶりは如何に凄い事か理解できると思います。
私の息子も近所の少年野球チームに入って、週末は練習をしていますが、大人の監督やコーチが半分ボランティアでよく指導してくれますし、遠征試合やプロ野球の観戦ツアーなど盛り沢山のイベントを準備してくれます。このような土台があるので、イチローや松坂のような選手が出てくるのも理解できます。
一方、韓国はこのような少年野球チームは数える程ですし、週末のグランドはアジョシたちのサッカー試合で占領されているのが現実です。私がソウルに居たときも、ハンガンのネコの額ほどのグランドで少人数のチームしか見た事がありません。
日本では勉強はできなくても、部活動などでそれなりの勝利感や達成感を勝ち取った、所謂、体育会系も社会に出てから活躍するパターンもあるような気がします。韓国では運動ができるのは一部のエリート集団であり、とにかく勉強ができて、優秀な大学を出ていないと人間扱いされないよう傾向が未だに強く残っている事も事実です。
以前のメルマガでも触れたかもしれませんが、日本の甲子園大会を韓国の教育オンマたちが見たら、衝撃を受けるに違いありません。
私の家内も日本の少年野球やサッカーの仕組みは、非常に素晴らしいものだと絶賛しています。今後、韓国でもこのような文化を育てていく必要があると感じている一人です。私の息子も韓国での学院(ハゴン)詰めの毎日から開放されて、とても喜んでいます。今でも言う事を聞かない時は韓国に送ってやるゾ!と脅かすのが一番の薬になっています。
話は少し横道にそれてしまいましたが、日韓の野球史にもこれだけの差があるのが現実です。日本が勝った時の韓国メディアの反応ぶりも裏を返すと自信の無さの表れだと私は分析しています。今回のWBCのような名勝負が何回も続けられる事が、日本と韓国をよく理解する機会にもなるし、成熟した大人の関係を構築する上で非常に大切な事ではないでしょうか?
また、出来る事ならば高校や中学レベルでの日韓戦が実現できれば、更に素晴らしい事かと思います。私の息子が所属している野球チームでは、練習の掛け声で数字を数える時に韓国語で「ハナ、トゥル、セッ、ネッ」とやっているそうですが、監督の提案で私の息子から教えてもらい始めたとの事です。
次回のWBCが今から楽しみですが、殺し合いの戦争ではなく、正々堂々と日韓野球戦争を展開して貰えればと思いました。
■編集後記
ここまで読んで下さり有難うございました。
最近まで鼻水と目のかゆみが止まらなくて、非常に苦労しておりました。これまで花粉症とは無縁の私でしたが、同僚曰く、お前は花粉症であるとの事。これから毎年、悩まされる事を思うと気が重たくなります。この時期だけ韓国に長期出張ができれば、このような状況は回避できるかもしれません。韓国に居た時は黄砂に苦しめられましたが、黄砂よりも花粉症の方が更に事態は深刻なような気がします。今から作戦を練って準備しておけば来春の韓国逃避も可能かもしれません(笑)
それでは皆さん、アンニョンヒケセヨ~!!