韓国在住14年、Takeさんの韓国情報ブログのバックナンバーです。

Takeさんの韓国見聞録      2006.06.26発行  NO.48

<古くからの友人、韓国をよく理解するための日本人サラリーマン日記>

Takeさん@韓国ソウルです。

ワールドカップでスイスに負けてしまった韓国ですが、試合が週末にあった事も幸いして今週からは心機一転モードで始まりました。会社でもほとんどサッカーの話題は聞かれませんでした。熱しやすく冷めやすい国民性は私も理解しているつもりですが、うちの会社だけが特別なのでしょうか?それしても今回のフィーバーぶりも4年前と負けないくらい凄いものでした。いったいこのパワーはどこから来るのでしょうか?実は4年前はソウル市庁の後ろにある「プレスセンタービル」に会社のオフィスがありました。夕方4時にもなると市庁前やその周辺は真っ赤に染まり、目の前にある地下鉄2号線の市庁駅までたどりつけなくてオフィスに監禁状態になってしまった事が昨日のように思い出されます。あの状態が明け方の3時ごろから再現されたと思うと本当に凄いの一言です。日本も負けてしまった以上、韓国にはアジアの代表として予選リーグを突破して欲しかったですが本当に残念でしたネ。

■本日のサラリーマン日記  韓国映画「卑劣な通り」

ワールドカップ予選リーグ突破を目前に控えた23日夜、新入社員の歓迎会がカンナム某焼肉屋で行われました。いつものように一次会は映画鑑賞会から始まり「エックスマン 最後の戦争」と「卑劣な通り」の二つの選択余地がありました。多くの社員はエックスマンを選択。私も見てみたいと思いましたがハングル字幕を解読する気力も無く、「卑劣な通り」は殴り合いの暴力シーンが多発するのでどうしようかと迷っていた矢先に、総務課の女の子(25歳)がチョ・インソンの熱烈なファンで彼の魅力を5分間叩き込まれ、結局「卑劣な通り」を観に行く事になりました。

夕方6時を過ぎた頃に会社の近くにあるシネシティに直行。この時間はいつもは若い人でいっぱいのはずですが、その日は異様なくらい空いていました。観客は数える程しか無くほとんど貸しきり状態。韓国の映画館は基本的に全席指定席ですが、この日は好きな席にそれぞれ陣取って見る事ができました。予選リーグ突破を明け方に控えたこの時に映画鑑賞などは非国民のする事なのでしょうか?ワールドカップ期間中は映画館などの娯楽施設がかなりの打撃を受けているとの報道を聞いたことがありましたが、こんなに凄いとは想像もしていませんでした。

以前に読者の方から「韓国にも日本のようなヤクザは存在するのでしょうか?」「韓国は露天商が多いですが場所代など払う必要がありますか?」等の質問を受けたことがあります。私もこの手の詳しい事情はよくわかりませんが、韓国にも俗に言うヤクザは存在します。しかし日本のような全国組織的の大きなモノではなく小集団的なものが多いと聞いています。そのような意味でも今回の映画はとても参考になると思います。

いつものように粗筋や概要は以下のサイトを参考にして下さい。それと韓国語公式サイトも載せておくので雰囲気だけでもわかると思います。

http://contents.innolife.net/listm.php?ac_id=7&ai_id=8596

http://www.dirtycarnival.co.kr/

私の頭の中でチョ・インソンと言えば映画「ラブストーリー」が印象的ですが、それ以外のドラマを観ていても裕福な家庭で育ったボンボンのイメージが強かったです。今回の映画を観ると「下流人生」で主演をしたチョ・スンウとどうしても比較してしまいます。そう言えばチョ・スンウは「ラブストーリー」で主演を演じていました。これも何かの因縁でしょうか?

人間の内面性には光と影があるように、それらの個人が集まった現代社会にもやはり光と影があると思います。そのような影の部分をいかに表現できるかが大スターへの必要条件だと思いますが、今回の映画はチョ・インソンにとってもうひとつの自分をアピールできる大きなチャンスだと思いました。

今回のメガホンを取ったユハ監督もチョ・インソンに初めて会った時、優しく良い人に見えてどこか影のある目をしている二面性を感じたという事ですが、その辺が監督の思惑通り実によく表現できているのでチョ・インソンファンは必見の映画だと思います。

私の横で観ていた総務課の女の子の言わせるとチョ・インソンは20代前半の女性からは圧倒的な人気があり、将来も期待されているそうです。短めのショートカットの頭を思わずナデナデしたくなると言っていました。この子はチョ・インソンを柴犬と勘違いしているのではないか?と思いましたが、とにかくチョ・インソンは女性の母性本能をくすぐるタイプのようです。映画の中で彼は自分が信頼してきた子分や小学校の幼馴染から裏切られて最後は悲惨な死を迎えるのですが、その時は周囲で観ていた女の子たちがエンエンと泣いていたのが印象的でした。

それとこの映画の中でポイントになるのが幼馴染で初恋の相手でもあるヒョンジュ役を演じたイ・ボヨンの存在だと思います。彼女は韓国において息子を持つ母親から自分の家のお嫁さんに迎えたい女性のトップに選ばれると聞いていますが、この映画の中でも純粋で清閑なイメージを十分に発揮しています。主人公のビョンドゥが「お前が望むならヤクザを辞める、、、」の一言にこの映画の全てが集約されているように、100%悪者に成り切れないビョンドゥの悲哀が単純なヤクザ映画で終わらせる事なく、この映画の深みをよく出しているように思えました。

■韓国でも通じる日本語シリーズ「段取り(ダンドリ)」

このシリーズも無くなるかと思いきや息が長いです。皆様の中でも推薦したい単語があればいつでもメールを下さい。今回の映画の中でも私の記憶では3回くらいこの「ダンドリ」が出てきました。親分が子分に向かって「ダンドリチャルヘラ!!」と渇を浴びせるシーンですが、要するにミスをしないでしっかりやれ!!という意味です。うちの会社でも若い社員が失敗すると「ダンドリガチャルモッテヌンゴヤ~!(ダンドリが上手くいっていないからだ~!)」と上司から気合い飛んで来ます。韓国人は正確な日本語の意味はわからなくても「ダンドリ」という響きの中に日本人と共通のニュアンスを認識できるようです。こんな所でも日本と韓国の微妙な関係を発見することができますネ。

■編集後記

ここまで読んで下さり有難うございました。

最近、自宅のパソコンが故障してしまい23日は夜中まで修理していました。原因は流行のウイルスと思いきや実は悪性コードと呼ばれているものでした。以下に紹介するのは韓国で一番、有名な悪性コード撃滅サイトです。

http://www.ad-spider.com/

このサイトは通称「ダ~チャバ」と呼ばれていて、直訳すると「みんな捕まえちゃう!!」となるのですが、最初にこの呼び名を聞いた時は思わず笑ってしまいました。修理には明け方の3時ごろまでかかり、このまま韓国戦の応援かと思いましたが、少し横になって起きたら朝の7時。すでに戦いは終わっていたのでした。後から見ていて審判の誤審とも思われるような所もあり何とも残念したが、よく暴動が起きなかったものだと妙に安心していたのは私だけでしょうか?

それでは皆さん、アンニョンヒケセヨ~!!

セミナーや会議などで通訳が必要な時、韓国企業との商談、ビジネスがある時は、当社の翻訳・通訳サービスをご利用ください。韓国の映画祭での取材、映画制作会社、テレビ局、芸能人への取材などの通訳も、実績や経験豊富なスタッフが対応を行いますので、安心してお任せください。翻訳・通訳についての詳細は、こちらのページをご覧下さい。韓国語翻訳 韓国語通訳