外出自粛と熱中症リスク
新型コロナウイルス対策として行われた外出自粛のため、今年の夏は熱中症の発症リスクが例年より高まっていると言われています。
本来なら4月、5月の外出で汗をかくことによって体は「暑熱順化」し、体温を下げやすい状態になっていくのですが、今年は「暑熱順化」できていないため、熱中症にかかりやすい体の状態になっているのです。
換気による熱中症リスク
新型コロナウイルス対策として、クラスターの発生をもたらす「3密の環境」を作らないことが重要だと言われています。3密の1つである「換気の悪い密閉空間」を改善するために、ほとんどの建物で換気を多くする対策をとっています。換気を多くすると、夏場は冷房の効きが悪くなり、通常の夏に比べて熱中症リスクが高まります。
マスクと熱中症リスク
夏場のマスクの使用も熱中症リスクを高めると考えられています。夏になって気温が高くなり体内に熱がこもるようになると汗をかいたり、冷えた空気を呼吸によって体内に取り込んだりすることで体温調節を行います。ところが、マスクをしていると温かい空気しか入ってこないため、呼吸で身体を冷やすことが難しく、むしろ体温を上昇させてしまいます。また、顔の半分ほどがマスクで覆われることによって熱がこもりやすくなります。
それに加えて、マスクは加湿効果があるため、口の渇きを感じにくくなります。そうすると水分不足に気づくのが遅くなり、マスクなしで過ごしていた時よりも熱中症リスクが高まると考えられます。
熱中症対策
新型コロナウイルスの影響で、今年の夏は熱中症リスクを高めてしまう要素がいくつも重なってしまいました。それぞれのリスク要素に対する対策を考えてみましょう。
手軽にできる暑熱順化
まず、外出自粛のために暑熱順化できていない体を少しずつでも改善していくことが大切です。「手軽にできる暑熱順化の方法」を参考にして、熱中症対策をしてください。
換気と冷房
健康を守るためにコロナ対策として換気をしなければならないのですが、そのせいで冷房が効かず熱中症にかかってしまっては本末転倒です。熱中症のリスクがあるような室内温度の時には、まずは冷房を効かせることを優先し、温度が下がってから換気をするという対処が必要となるでしょう。
マスクの影響による熱中症の対策
人のいないところ、十分な距離が保たれている場所ではマスクしていなくても問題ありませんので、人との距離を2m以上取ってマスクを外しましょう。
また、マスクをしていると、のどの渇きを感じにくくなりますので、こまめに水分を摂るようにしましょう。特にのどの渇きを感じにくい高齢者や乳幼児には積極的に水分を摂るように促してあげてください。
マスクをしていて熱中症の症状を感じた時や具合が悪くなったら、すぐに人との距離を十分に保てる場所、涼しいところに移動してマスクを外し、水分を補給して休むようにしましょう。環境省と厚生労働省から出された熱中症予防行動のリーフレットも是非参考にして下さい。
IoTで換気と冷房を最適化
ウィズコロナの今年の夏は、換気と冷房のどちらを優先するかを判断することが非常に難しくなっています。矛盾する「コロナ対策の換気」と「熱中症対策の冷房」を最適化する「ZETA・換気お知らせキット」と「ZETA・熱中症予防キット」というIoTソリューションがありますので、ご紹介いたします。
「ZETA・換気お知らせキット」は、二酸化炭素濃度を1000ppm以下に保つことで「換気の悪い密閉空間」という条件を避けることができるという厚生労働省の通知に基づき、常時、二酸化炭素濃度1000ppm以下に保たれているかどうかをCO2センサーにより「見える化」して換気のタイミングを知らせてくれるというものです。
「ZETA・熱中症予防キット」は、温度・湿度センサーによる計測により、推定WBGT値を管理者のPCやタブレット上に危険度としてわかりやすく表示します。(※WBGT値:暑さ指数。熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案された指標。)
この二種類のIoTソリューションを導入すれば、どのタイミングで換気すべきか、冷房をどのくらいきかせるべきかを判断することができ、矛盾する熱中症対策とコロナ対策を、最適化することができます。詳しい内容は「ZETA・換気お知らせキット」「ZETA・熱中症予防キット」のページをご覧ください。