韓国在住14年、Takeさんの韓国情報ブログのバックナンバーです。

Takeさんの韓国 FAQ       2006.01.21発行  NO.38

<古くからの友人、韓国をよく理解するための日本人サラリーマン日記>

Takeさんです。

旧正月(1月29日)を目前にして、韓国の市場や百貨店は大忙しです。会社の総務課でも今年の社員へのプレゼントは何が良いかと会議が持たれるのもこの時期ですね。ただ、この時期は一年で一番寒いのですが、ここ数日は暖かい日が続いて何か調子が狂ってしまいそうです。やはり世界的に異常気象なのでしょうか?

■本日のサラリーマン日記「正義の味方 オンドル様」

新年を迎えさっそく日本の両親に挨拶の電話をしたのですが、今年の冬は日本も寒いらしく何と家の中で白い息が出ているということでした。我が家では昔から父親が石油ストーブの臭いが苦手なので、冬はコタツだけでよほど寒くないと石油ストーブをつけない習慣があります。初めて家内を日本に連れて行った時が正月だったので、その時の衝撃は今でも語りぐさになっています。

その当時はよくわかりませんでしたが、韓国に長く住んでみて家内の気持ちがだんだん理解できるようになってきました。韓国にはオンドル様という正義の味方がいるので、真冬でも家の中にいる限りは実にぬくぬくと過ごす事ができるのです。というわけで今回は韓国の冬になくてはならないオンドルを紹介したいと思います。

オンドルを漢字で表現すると「温石」となり、縁の下に置いた石を暖かくする事で暖を取る床暖房システムです。詳しい構造や歴史は以下のサイトが参考になると思うのでぜひ読んでみて下さい。

http://home.tokyo-gas.co.jp/new_setsubi/special/vol3/03.html

http://www.konest.com/data/korean_life_detail.html?no=450

暖を取る手段として、蒔き、練炭、灯油、ガスと時代の流れにつれて変化して来ましたが、床暖房という構造は変っていません。韓国は湿気が少なく冬は寒いので日本のような畳がない代わりにオンドルが発達したわけです。このオンドルは韓国の文化や民族性にもかなり影響を与えていると思うのです。

私の家内が「日本では冬でもこんなに家の中が寒いので、日本人は人情味に欠けるのではないか?」と言っていた事を思い出しました。確かに日本の家は湿気のために風通しが良くないといけません。しかしそれがために四季の微妙な変化を感じ取る慣性が養われてきたのではないかと思うのです。

また、私が始めて家内の実家に挨拶に行ったときも旧正月でとても寒い時期でしたので、義母は私のためにオンドルをフル稼働してくれました。私はフライパンの上で焼かれているような感じで熟睡できなかった事を覚えています。私の横でスースーとよく寝ている家内の顔を見ながら「真冬でもこんなに熱くしているので韓国人はいつもカッカして怒りやすいのではないか?」と思ったりしたものでした。確かに韓国人のあの人情味の厚さとマターリとした性格。そしてよく笑い、よく泣くのは太古の昔からオンドル様によってDNAが暖められて来たので何かに付けて直ぐに火がつきやすいのかもしれません(笑)

とにかく韓国の冬はこのオンドル様のおかけで実に快適に過ごす事ができます。ホットカーペットや電気毛布を使えば手軽に床暖房ができると思っている人もいるかもしれませんが、このオンドルの暖かさは実際に体験してみないとわからない独特のものだと思います。石油ストーブや温風ヒーターのような上辺だけの暖かさとは違いじわじわと芯から体が温まります。冷え性の女性とかには本当にお薦めです。

韓国に来て間もない頃は、まだオンドルのあり難さがよくわからず寝苦しい夜を過ごしたものでした。日本式のお風呂が恋しい時もありましたが、今では疲れている時などはオンドルの温度を少し高めにして床に直に横になり、薄いタオルなどをかけて1時間くらい熟睡すると実にスッキリします。また、洗濯物など床にひいておくと朝には乾いているで実に便利です。贅沢を言うならば韓国にも日本式のお風呂があればもう何も言うことはありませんネ。

このオンドルは韓国の文化そのものであると言いましたが、時代の流れに従って今も進化しています。私が以前に住んでいたソウル近郊の新都市では中央暖房システムという最新設備があり、火力発電所から発生する熱湯を大きなパイプで都市全体に配給して24時間いつでも蛇口をひねると熱いお湯が出てくるというものでした。公園のトイレとかでも暖かいお湯が出てきて、本当にビックリしました。

冬の韓国は寒くて尻込みしてしまう方も多いと思いますが、ぜひオンドル部屋を予約して冬の韓国も満喫して欲しいものです。ただ、始めてオンドルを経験する方はその熱さに耐え切れずに返って寝苦しい夜を過ごす事になるかもしれないので注意が必要です。寝る時には枕もとに濡れたタオルを引いておくと適度な湿気を保ってくれて喉を痛める事もありません。オンドル部屋で休む時はぜひお試しください。

■韓国でも通じる日本語シリーズ「散歩(サンポ)」

新年が始まり皆さんは何を決意されたでしょうか?私はこの1年で5キロの減量を決意しました!!そこで近くの漢江公園でジョギングする事にしたのですが、息子からは「父ちゃんそれはジョギングではなくて散歩だよ!!」と指摘される毎日です。それでも家の中でゴロゴロしているよりはましかと思い続けていこうと思います。

ハングルでは「散歩(サンポ)」以外に「散策(サンチェク)」という表現がよく使われます。映画やドラマを見ていても主人公のイケメン男優が「サンポラドハルカヨ~(散歩でもしようか)」などと言いながら会話が始まるシーンはよくあるパターンですね。

■編集後記

ここまで読んで下さり有難うございました。

今年の日本の冬は記録的な豪雪であると聞いています。人の背丈の二倍以上も積もった雪の写真を見て、隣の同僚はビックリしていました。韓国の冬は寒いですが、日本のような豪雪はないので本当に助かります。このメルマガの読者の中にも豪雪の被害に合っている方もいるかもしれませんネ。豪雪地帯の屋根には韓国のオンドル様を導入して、自然に雪が溶けていくようにしたらどれだけ便利でしょうか?

それでは皆さん、アンニョンヒケセヨ~!!

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