韓国在住14年、Takeさんの韓国情報ブログのバックナンバーです。

Takeさんの韓国 FAQ       2006.02.26発行  NO.40

<古くからの友人、韓国をよく理解するための日本人サラリーマン日記>

Takeさんです。

メルマガもお蔭様で40回を迎えました。とうとう私の年齢に到達してしまったわけです。最近は仕事も忙しくて不規則な生活が多くなりがちですが、今年は厄年(本厄)という事もあり注意していくつもりです。前回、日本に帰省した時に近くの神社で厄払いをしました。長かった冬もようやく終わりを告げ、健康とダイエットのためにハンガン周辺道路を利用した自転車通勤を計画しているのですが、朝になるとその決意が鈍ってしまいます。自分に打ち勝つのは本当に難しいものですね。

■本日のサラリーマン日記 韓国映画「王の男」

李氏朝鮮時代の王と美男の大道芸人の姿を描いた映画「王の男」が韓国映画界の記録を塗り変えようとしています。3月の初めには「ブラザーフッド」(1174万人)を抜いて歴代1位の観客動員数を獲得する勢いです。

前回のメルマガでも触れたように、難しい言葉が連発する時代劇はあまり好きではないのですが、これだけ韓国人の人気を集める秘密を知りたくて観て来ました。いつものように粗筋や雰囲気は以下のサイトをご覧下さい。

http://www.kingsman.co.kr/

http://contents.innolife.net/listm.php?ac_id=7&ai_id=8007

普通、封切り後2ヶ月近くも経過した映画なら観客もまばらで、自由に好きな席に座れるはずですが、私が行った時は平日にも関わらず凄い熱気でした。若い人から初老の夫婦まで色々な顔がありましたが、中でも若い女性が目立っていたように思います。映画を観ていてその答えが美しい宮廷芸人を演じたコンギル役の男優イ・ジュンギにあった事がわかりました。

http://www.hf.rim.or.jp/~t-sanjin/ijungi_p.html

人気ドラマ「マイガール」にも登場した若手男優という事は後から知ったのですが、私はイ・ジュンギの姿を始めてこの映画で観たのでした。日本で言えばジャニーズ系とも言えるようなきゃしゃな体、細面で白い肌。こんな男優が韓国で人気を呼んでいるのは正直言って驚きました。10年前だったらこんなモヤシのような男性など誰も相手にしなかったと思うのです。価値観の多様化というか、美意識の変化を感じました。日本文化の開放も少なからず影響しているのではないでしょうか?それと同時に今まで押さえられていた女性パワーの影響も肌身に感じた次第です。

最近、韓国では男性専用のエステや整形手術が流行っていると聞きますが、韓国の男性諸君は「ワンパクでもいい、たくましく育って欲しい(古い^^;)」と思うのは私だけなのでしょうか?

ただ、この映画の人気の秘密はイ・ジュンギだけにあるのではないと思います。前半は韓国独特の「タルチュム」のメロディーに乗って思わず踊りたくなるような気分にさせてくれます。劇中で芸人が醸し出す不思議な色気は言葉では上手く表現できないのですが、日本では発見できない韓民族独特の色気だと思います。

後半は絶対的な権力者の前にどうしようも出来ない庶民の「恨(ハン)」と「再び生まれ変わっても芸人に生まれる」という台詞にあるように、何事にも屈する事なく時代を強く生き抜く芸人チャンセン(カム・ウソン)の生き様がとてもよく出ていて、韓国人が没頭する理由がわかるような気がしました。そして 芸人チャンセンが演ずる綱渡りのシーンでは何時、落ちてしまうのかわからないスリルと、韓国社会の二極化が進んで明日はいつどうなるかわからない今の現状と相まって自分の姿を見てしまうのかもしれません。

舞台は李氏朝鮮時代 第10代の王、燕山君(在位1494-1506年)の王宮ですが、最近の政治状況とかみ合って権力を痛烈に風刺した点も人気の一つと思いました。韓国の国会中継を見たことがある方はご存知かもしれませんが、毎回のように怒鳴りあっている姿は時代を超えてもあまり変わらないのではないかと思わされるし、もっと国民のために建設的な政治をして欲しいと思っている方は大勢いるからです。

今まで観客1000万を越えた映画では「シュリ」、「シルミ島」、「ブラザーフッド」などがありますが、それらの共通なテーマは分断国家である事でした。今回の「王の男」はそれらとは一線を画し、しかも製作費が約40億ウォンと少ない予算で製作された事を考えると韓国映画界の革命と言っても大袈裟ではないかもしれません。記録は破られるためにもあるのでぜひ頑張って欲しいですネ。

■編集後記

ここまで読んで下さり有難うございました。

韓国では数年前、「オルチャン」(オルグル=顔、チャン=最高)という造語が大流行したのですが、この映画を観て外的な美を追求する対象が女性だけでなく男性にまで及んできたという何とも世知辛い世の中になってきたようです。日本ではすでに高級ホストクラブが大繁盛しているようですが、韓国もいずれそうなるのでしょう。私も資本金があればカンナム辺りにホストクラブでもオープンさせたいところです。名づけて「Takeさんの韓流ホストクラブ」です。ホスト希望の方はオルチャンはもちろんの事、私が直接面接をして日本語能力を検定しようと思います。如何でしょうか?

それでは皆さん、アンニョンヒケセヨ~!!

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