韓国在住14年、Takeさんの韓国情報ブログのバックナンバーです。

Takeさんの韓国見聞録      2006.05.31発行  NO.46

<古くからの友人、韓国をよく理解するための日本人サラリーマン日記>

Takeさん@韓国ソウルです。

今日は統一地方選挙の投票日なので学校や一般の会社は休みです。何か得した気分ですね。噂によると永住権(F-5ビザ)を取得して3年以上経過した外国人には投票権が与えられるとの事で、今回の選挙でもまだごく少数の日本人ですが投票できるようです。私も次回の選挙では投票用紙が送られて来るのでしょうか?いずれにしろ私のような在韓日本人の取り巻く環境も確実に変化しつつあるようです。

■本日のサラリーマン日記「韓国の徴兵制度」

韓国に存在して日本に無いものを挙げたら色々とありますが、その中でも徴兵制度(兵役)の影響は大きいと思います。兵役の無い日本に住んでいるとなかなか理解できないところではないでしょうか?兵役の期間は陸軍が約2年2ヵ月、海軍が約2年6ヵ月、空軍が約3年程度と言われていますが、定年後とかではなく一番若くて貴重な時間をそれだけ取られれてしまうのは、想像するだけでもどれほど凄い事がわかると思います。そのくらいの時間を海外留学にでも費やしていたらある程度、言語を習得できると思うのです。

先日、新聞を見ていたら今年の大卒新入社員の平均年齢(男性)は28.2歳という事なのですが、大学院の修士でも出たらもう30歳という事になってしまいます。韓国人男性は特別な理由が無い限り20才以上になったら必ず軍隊に行かなければなりません。大学1,2年くらいの時に休学して行く場合が多

く、だいたい28才くらいまでに行って来るようです。韓国の大学に語学留学に来た方はわかると思いますが、かなり老けたおじさんのような学生がいるのもそのためです。韓国の男子学生を見ていると日本の大学生が高校生にくらいに見えてしまうのは私だけでしょうか?

以前に比べると軍隊の環境もかなり改善されたと言いますが、それでも厳しい訓練を強いられる事は避けられないようです。私も今までに多くの方を見てきましたが、軍隊に行く前と後ではかなり雰囲気が違います。私も学生の頃は体育会系のクラブにいたので先輩、後輩の厳しい上下関係は経験した事がありますが、軍隊の場合は実弾を使った訓練もあり一歩間違えると死亡事故がある程危険な訓練をします。その為に入る前と後では別人のようになってしまう例も多く、精神的に不安定になる人や自殺者も出ると聞いています。

韓国国防部公式サイト:http://www.mnd.go.kr/

韓国ではこのような環境を乗り越えて来ないと一人前の男と社会から認められない風潮がまだまだ強く残っているのも確かで、酒の席になると決まって出てくるのが軍隊での話です。同じ死線を越えて苦労してきたという連帯感のようなモノがあり、宗教や思想、価値観の枠を越えて韓国人を一体化させる上で大きな原動力になっているのではないでしょうか。日本でもワールドカップや前回アメリカで行われたようなWBC(World Baseball Classic)で盛り上がりますが、その熱狂ぶりに大きな開きがあるのも韓国人特有の民族性に加えてこの軍隊の影響が大きいと思うのです。

実際に韓国人男性と接した方はわかると思いますが、日本人とは何か違うピリッとした緊張感というか、何か一本筋が入っているように感じるのもそのためで、それらはそのまま映画やドラマにも反映されているようです。

日本にも昔はそのような時代があり、韓国人男性に負けないくらいの凛々しさがあったと思うのですが、今の日本ではもう過去のものになってしまったようです。以前に私の母親が韓国に来て地下鉄の中で軍服姿の軍人を見かけた時に「自分が小さい頃を思い出した、、、」と言っていました。

しかしここ数年でだいぶ変わってきて、できる事なら兵役を逃れて自由になりたいという風潮も強くなってきました。財閥や政治家の息子、タレントなどがブローカーにお願いして兵役を逃れていたというニュースは後を絶ちません。特に有名な映画俳優や歌手にとっては深刻な問題でもあり、せっかく人気が出てきたのに3年近くのブランクを作ってしまうのは大きな痛手にもなります。

私の住んでいる麻浦(マッポ)区庁にはソ・ジソプ氏が公益勤務要員として兵役期間を過ごしているようです。私の近所に住むアジュマの息子さんがソ・ジソプ氏と同じ部署にいるらしく、少し話を聞かせてもらった事があります。身体に問題があったり一人息子でその家系が絶えてしまう可能性がある場合など、その他色々な条件が考えられますが、韓国の国防省が判断して許可が下りると一般的な軍人ではなく公益勤務要員として、兵役期間を公的機関で奉仕すると言うものです。週末は自宅に帰れるそうですがタレント活動は禁止されています。以前に麻浦区庁に用事があって行った時にソ・ジソプ氏の事を聞いてみたのですが、一般の方とは接しない内部の事務仕事をしているとの事でした。次回、麻浦区庁に行く時は「私は麻浦市民なのでソ・ジソプ氏に会わせてくれ~!!」とお願いしてみようかと思います。

麻浦区庁公式サイト:http://www.mapo.go.kr/(韓国語のアナウンスが流れるの要注意です)

話は少しそれてしまいましたが、とにかく韓国人男性にとって兵役はかなりの負担になるのは確かです。すぐ隣には北朝鮮という脅威があるので仕方ないのですが、見方を変えると韓国がその脅威から日本を守っているように考えても異論はないと思います。そういう意味では我々は韓国人男性に感謝しないといけないのかもしれません。

また、韓国は男の子が非常に重要視され甘やかされる傾向があり、マザコンが多いのも確かです。日本の部活動なども殆んどなく小さい頃から塾に通わされてモヤシのような子もいるいので、そのような子は軍隊で精神的にも肉体的にかなり鍛えられて帰ってくるようです。私の会社にも肥満のために兵役が免除された若い社員がいますが、頭は優秀なのですがテキパキと動かないので私もイライラする時があります。

今の日本では教育基本法に「愛国心」という言葉の取り扱いに関して議論されていると聞いていますが、ある程度の愛国心は本当に必要だと私は思います。以前にも書いたと思いますが、自分の国を満足に愛せないような人間では隣国を理解するのはとうてい難しいと思うからです。日本でも社会に出る前に3ヶ月くらいの軍隊生活のようなものがあれば、日本の発展に貢献するのではないか?などと韓国の徴兵制度を見ていると考えてしまいます。(皆さんTakeさんは決して軍国主義者ではないので誤解しない下さいね)

■編集後記

ここまで読んで下さり有難うございました。

5月はブログ強化月間と言う事で「楽天ブログ」で遊んでいたら、何時の間にか月末になり急いでメルマガを書き上げました。選挙がなかったら今回のメルマガは出せなかったと思います(笑)最近はデジカメを常に背広の内ポケットに忍ばせてくだらない写真を撮ってはブログに挙げています。読者の皆さんの中でも自分で「楽天ブログ」をやっている方がいると思います。私のURLは以下のとおりなのでぜひお互いにリンクし合いましょう。メルマガに関する質問やご意見も大歓迎です。

http://plaza.rakuten.co.jp/koreafaq/

それでは皆さん、アンニョンヒケセヨ~!!