韓国在住14年、Takeさんの韓国情報ブログのバックナンバーです。

Takeさんの韓国見聞録      2006.11.12発行  NO.57

<古くからの友人、韓国をよく理解するための日本人サラリーマン日記>

Takeさん@韓国ソウルです。

異様に暖かかった秋もようやく終わりを告げ、数日前から急に冷え込んできました。このままでは秋を飛ばして冬になってしまうのではないかと心配しています。私の自宅でもつい先日まで扇風機が動いていましたが、今はオンドルが活躍しています。昨日は久しぶりに夜の梨泰院(イテウォン)を歩きましたが、本当に寒かったです。私の息子もさっそく風邪を引いてしまいました。皆様も気をつけて下さい。

■本日のサラリーマン日記「一人では食べれないカムジャタン」

私が始めてカムジャタン様に出会ったのは何時の事だったのでしょうか?その時の場所はもう忘れてしまいましたが、初めて食べたあの味は今も忘れる事ができません。これから本格的な冬を迎えるにあたり、ぜひ紹介しておきたいのがカムジャタンです。

カムジャタンは、豚の骨の中でも尻尾と背骨の部分を長時間煮込み、唐辛子とゴマの葉、ニンニク等で辛味のスープを作り、それにぶつ切のジャガイモを入れた鍋料理です。豚肉とジャガイモが唐辛子の辛味を中和して何とも言えない風味を出すのですが、初めて見る方はグロテスクな骨付き肉に驚愕するかもしれません。日本ではこのように骨ごと入っている料理はあまり見かけなかったと思うのですが、韓国では参鶏湯(サムゲタン)にも代表されるように、このパターンの料理が多いです。骨に付いている肉をほじくりながら食べるのが何とも面倒で、最初は何と不親切な料理だと思いました。しかし、何回か食べているとその野蛮さというか、骨をしゃぶりながら食べるその姿に何とも言えない韓国文化を感じる事ができるようになりました。

このカムジャタンを食するに当たり、一つ注意しなければいけない事は、今回のタイトルにもあるように一人では食べれないという事です。一般的に「大、中、小」と分かれていて、価格帯はそれぞれ2万5千ウォン、2万ウォン、1万5千ウォンくらいです。一番量の少ない「小」でも2~3人分くらいの量があり、つまりこの料理は最低、二人以上からワイワイ騒ぎなら食べるという事なのです。

このようなコンセプトからも理解できるように基本的に酒好きの男性陣の人気が高いです。特に焼酎と抜群の相性があるので、一般的に焼酎を飲みながらツマミとしてカムジャタンを突き、最後の段階で残ったスープとご飯を混ぜて焼き飯風にして食べるのがポイントなのです。また日本の2次会、3次会ではラーメンや焼きおにぎりで仕上げをするわけですが、こちらではカムジャタンやヘジャンククが人気があります。このような事情からカムジャタンは一般的な韓国食堂ではなく、24時間営業の専門店の方が美味しいのでお店選びにも注意が必要です。

では一人ではカムジャタンを楽しむ事はできないのでしょうか?お店によっては一人前のカムジャタンがあるのかもしれませんが、私は今までお目にかかった事はありません。一人前ではカムジャタンではなくピョダギヘジャングと名前が変わるので注意が必要です。値段は5千ウォンくらいです。ピョダギヘジャングになるとジャガイモの量がガクッと減るので、私はやはりカムジャタンをお勧めしたいです。

実は小学二年になる私の息子の大好物はカムジャタンです。カムジャタンの看板を見つけては食べたがるので、自宅近くのお店はほとんど制覇して、今はその勢力を新村(シンチョン)や弘大(ホンデ)に拡大しつつあります。子供の頃からこんなモノを好むので、将来は大酒飲みになるのではないかと家内は心配しています。

色々なお店を食べ歩きながら思ったことは、美味しいカムジャタンのポイントはジャガイモにあると言う事がわかってきました。煮込んでも崩れてしまうのではなく、最後まで形を留めている必要があります。しかも甘みのあるジャガイモが入っているお店が美味しいです。男爵いもではなくメークイン系のジャガイモが向いているのではないか?と私なりに分析しています。

色々と食べ歩きましたがカムジャタン博士でもある息子のお勧めは「ソブカムジャクク」というお店です。このお店は余りにも有名で、その噂は既に日本にも知れ渡っているかもしれませんが、初めて行かれる方はカムジャタンの基本を味わえると思います。

行き方は以下のサイトを参考にして下さい。地下鉄3号線のノクポン駅5番口を出て10分くらい歩けば行けると思います。念のためにお店の写真を印刷しておけば、この近所の方は皆さんご存知だと思うので親切に教えてくれると思います。この近くにはEマートという大型ディスカウントストアがあるのですが、週末はそこで買い物をしてソブカムジャククで食事をして帰るというのが我が家の必勝パターンになってきました。

http://local.naver.com/siteview/siteview.php?sid=1179606371

この冬のソウルは熱々のカムジャタンをぜひお楽しみください。他にも美味しいお店があれば教えて下さると嬉しいです。

■編集後記

ここまで読んで下さり有難うございました。

最近、以前の会社で上司でもあった韓国人のK氏に久しぶりに再会しました。彼は私の兄貴分のような感じで、非常にお世話になった方なのですが5年くらい前に独立してとても景気が良かったと聞いていました。しかし、今年の夏に不渡りに合い今は家族を田舎に置いて借金取りからの逃亡生活をしているとの事です。日本もそうだと思いますが、中小企業の場合はたとえ黒字を出していても、一度資金がショートすると本当に厳しいものがあります。私がK氏の立場なら自殺とかも考えてしまいそうですが、彼は再生の道を模索しています。韓国人特有のしぶとさというか、粘り強さを久しぶりに感じた次第です。

それでは皆さん、アンニョンヒケセヨ~!!

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