韓国在住14年、Takeさんの韓国情報ブログのバックナンバーです。

Takeさんの韓国見聞録      2006.12.02発行  NO.58

<古くからの友人、韓国をよく理解するための日本人サラリーマン日記>

Takeさん@韓国ソウルです。

早いもので2006年度もあと一ヶ月余りとなってしまいました。これから忘年会とか増えてくるのは韓国も同じことです。最近、人が集まると必ず出てくるのが不動産の話。とにかく今年の不動産急騰は凄いものがありました。すでに持ち家を持っている方は少し余裕がありますが、そうでない若い社員は深刻な問題です。○○アパートがいくら値上がりしたとか、再開発に決まった等の噂話が先行しているような気もします。10年前の日本の様にならない事だけを祈るのみですネ。

■本日のサラリーマン日記「韓国の道路事情 その二」

タイトルに「韓国の道路事情 その二」とありますが、実はその一があったのです。私も忘れていました(笑)

http://plaza.rakuten.co.jp/koreafaq/diary/200511210003/

日本から初めて来るお客さんは、私が韓国で運転しているのを見ると驚きの眼差しで見られるものです。実際、私は地方都市で7年、ソウルで5年ほど運転歴があるのですが、ここ数年ソウルでの交通マナーは少しずつですが改善されてきたような気がします。以前に比べて道も譲ってくれるし、逆に譲ってあげるとハザードランプを点滅して 「ありがとう」 と云う意思表示をしてくれる運転手も増えてきました。昔はそのような習慣がなかったのですが、これも日本の影響なのかなと思いました。

まあ、それでも日本に比べたら交通事故の割合は高いし、道路事情もよくないので細心の注意を必要とする事は確かです。今回はソウルを中心とした道路事情に関する話をしたいと思います。観光や旅行で運転する方はまれだと思いますが、知っていると何かの役に立つかもしれません。

1)右折の法則

ソウル市内でタクシーやバスを乗った方はご存知かもしれませんが、韓国は右折優先の国なのです。これが韓国で運転する上で非常にポイントになります。私も最初はよくわからないでストレスを感じましたが、この右折の法則を知ってからは要領を掴んだ運転をする事ができるようになりました。

日本では小さい四つ角でも左折できる場所が多いですが、韓国では左折を禁止している場所が多いので注意が必要です。直ぐ左側に自分の行きたい所があっても左折ができないので、かなり前進してUターンするか左折できる四つ角まで行かなければいけません。これは逆に考えると少し遠回りをしても右折をしながら行けるコースを選択するとスムーズに目的地に到着できるわけです。その事がわかるようになるまで1年くらいかかったような気がしますが、韓国人は右回りが好きな民族なのだ、、、と認識するようになりました。

また、歩道を歩く場合はこの右折の法則を知っていないと危険な目に合います。運転手から見て前方の信号機が赤でも、右折はどんどんしてくるのでボーと歩いているとクラクションを鳴らされたりします。日本のようにオートバイや自転車の多い国でこれをやると、巻き込み事故が多発する事は間違いないでしょう。私がたまに日本に帰国するとつい右折をしたくなる衝動に駆られます。

2)車庫証明が無くても車をゲット

日本と異なり韓国では車庫証明がなくても自動車を手に入れる事ができます。私はその事がソウルの渋滞を悪化させている要因と考えています。おそらく車庫証明制度を現実化したら、車が売れなくなるので大手自動車メーカーが国会議員に圧力をかけているのではないかと勝手に想像しているのですが、私は車庫証明が必要だと思っています。

ソウル市内のアパートや裏道の駐車状態は本当に凄いものがあります。大きな空き缶やタイヤを自宅の前に置いて陣地の確保をする事はもちろん、夕方になるとハルモニや子供に家の前の見張りをさせる所もあります。他の車が駐車しようものなら直ぐに追い出してしまうわけです。

また、アパートの駐車場等でサイドブレーキを掛けておくと、もの凄い顰蹙をかいます。その訳は縦列駐車している車の前にさらに駐車していくので手動で動かせるようにしておかないと、他の車を出すことができないからです。アパートや百貨店などの駐車場をよく観察していると、一生懸命に車を動かしている光景を見ることができます。しかし、これはある意味でとても危険な行為で、以前に少し勾配のある駐車場で車を押していたら、自然に車が転げ落ちて通りがかりの人が大怪我をした事件もありました。

それと数年前から携帯電話番号の提示していない車も顰蹙を買うようになりました。例えばレストランや食堂に車で乗り付けて食べに行くわけですが、すでに止めてある車の出口を塞ぐような場所でも平気で駐車していきます。何か問題があれば電話してくるので大丈夫との暗黙の了解があるからなのですが、日本ではなかなか考えられない事だと思います

3)軽自動車が極端に少ない

韓国に一度でも来られた方はわかると思いますが、日本に比べて軽自動車の姿が目立ちません。メーカー側も日本のように多種多様な機種を生産しているわけではなく、私の知っている限りでは三種類しか車種がなくて、今でも生産しているのは一種類だけだと思います。

大きいモノを好む韓国人特有の国民性が見事に現れているわけですが、日本に比べて事故が多いので、事故を起した時に危険だという認識が強いからだと思われます。98年のIMF当時は燃費や良くてガソリンを食わない軽自動車が大流行したのですが、今となってはあの頃の風はどこかに行ってしまったようです。

4)韓国の交通マナーの悪さは心と体のバランスがポイント

韓国の交通マナーの悪さはよく言われます。簡単に韓国人の国民性と断定してしまうとそれまでなのですが、日本人と韓国人は一見、同じように見えますが一旦、ハンドルを握らせるとどうしてここまで違うのかと思う時があります。日本人の場合は渋滞などの外的な状況を受け入れてしまい、約束した時間に遅れている事は認識していても、ある意味で割り切ってしまう場合がほとんどだと思います。

反対に韓国人の場合は心や思いはすでに目的地に着いているのですが、現実はそれができていないが故に、無理やり体の方をそれに合わせようとする執念が凄いのです。今、自分自身が置かれた環境が主体ではなく、あくまで運転している自分が主体で動いているために割り込みや急な針路変更もお構いなし、、という状況が生まれてくるわけです。

今、世界を騒がせている北朝鮮では共産主義をさらに発展させた「主体思想」というのがあるらしいですが、この「主体」という言葉は本当にこの韓民族のためにある言葉ではないか、、、?と思わされます。この辺の深層心理を理解しておく事がこの国で運転する上で非常に役に立ちます。

これ以外にも色々あるのですが、長くなるのでこの辺でやめておきます。韓国の道路交通事情を日本人に話させると、悲惨で酷い現状を訴えるものが多いですが、それは日本を基準にするからであり、世界を見渡してみるともっと凄い国があるのだと最近わかってきました。度胸のある方はカーフェリーに自家用車を載せて韓国に上陸してみるのも良いかもしれませんネ。

■編集後記

ここまで読んで下さり有難うございました。

日本でもニュースになったのでご存知の方もいるかと思いますが、韓国で鳥インフルエンザが発生しました。全羅北道の益山市という所が震源地なのですが、実は私の妻の故郷でもあります。親戚もたくさん住んでいるので、事件が発生した養鶏場の近くもよく知っているのですが、早く沈静化して欲しいですね。今もあの周辺で飼われている鳥類はバッタ、バッタと殺されているとの事です。暖冬ならぬ暖秋の影響で白菜が暴落して大量に捨てられ、ニワトリさんまで殺してしまって本当に勿体無い事だと思っています。いつか食べ物の恨みを買わなければ良いのですが、、、

それでは皆さん、アンニョンヒケセヨ~!!

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