韓国在住14年、Takeさんの韓国情報ブログのバックナンバーです。
Takeさんの韓国見聞録 2007.06.03発行 NO.68
<古くからの友人、韓国をよく理解するための日本人サラリーマン日記>
Takeさん@韓国ソウルです。
6月に入り真夏のような暑い日が続いています。いつもながら極端な気候だと思うのですが、気になるのは視界が悪くて、何となく息が詰まってくる感じです。スモッグか黄砂の影響なのかわかりませんが、最近は気になってなりません。以前の私の記憶では5月はピンクのツツジと青くて透けるような青空というイメージがあったのですが、5月が過ぎてみるとそんな日は片手で数えるくらいしかなかったような気がします。日本から来るお客さんにもソウルの空気はなんでこんなに悪いのかビックリされます。東京の空の色はもう忘れてしまいましたが、ソウルに観光に来られる方はよく比較してみてください。
■本日のサラリーマン日記 「仙人が遊ぶ仙遊島」
自宅から歩いて10分程で行ける仙遊島(ソニュド)は、私の大切な散歩コースです。本来、仙遊島は漢江(ハンガン)の浄水施設があったのですが、今はその使命を終えて美しい公園に生まれ変わりました。
島の中には色々な植物が植えられていて、四季折々に訪れる人の目を楽しませてくれます。駐車場がなく、地下鉄の駅からも離れているので、交通の便は決して良いとはいえませんが、週末にはアベックや家族連れで超満員になるほどの人気です。
仙遊島の魅力は、目にしみる緑とハンガンの雄大な流れだと思います。下記の地図を見てもわかるように、ハンガンの中洲のような感じで、周囲をハンガンに囲まれて二つの橋によって連結されています。橋とか無かった大昔は「仙人たちが遊ぶ島」と呼ばれていたのも、何となく納得できます。ソウル市内でこれほどまとまった緑を味わえる場所を見つけるのは大変な事ではないでしょうか?
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私のつたない文章で表現するのは非常に難しいのですが、この仙遊島はとても洗練されいて、芸術の香りがします。写真集とかに出てきそうな風景がたくさん散りばめられていると表現したら良いのでしょうか?実際に来られた方はわかると思いますが、高級一眼デジカメを持った若い衆をたくさん見かけるのもその特徴です。芸術のメッカでもある弘益(ホンイク)大学が近い事も影響しているのだと思います。
話は少しそれますが、最近は高校生のような若い女の子が、日本製の高級一眼デジカメを持っている姿を見るにつけ、韓国も裕福になったものだと関心します。その昔、日本に帰国する度にカメラをお願いされていた頃が懐かしいです。私も一眼デジカメが欲しくて家内に3度ほど稟議書を提出しましたが、決済を貰うことができず、こうしてメルマガを書いて秘密工作資金を集めているところです。
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上記の写真は私とはまったく関係ありませんが、週末はこのようなラブラブモードの若者で溢れかえります。ちなみに女の子の持っているのは任天堂DSですが、最近は日本の漫画をそのまま読んだり、携帯用ゲーム機で遊ぶ若い子が本当に多くなりました。
島の中にある建物はその昔、浄水施設がありましたが、今は改造されて小さなギャラリーがあり、定期的に写真や絵画の展示会が行われています。また、島の中央にはコンサートホールがあって、最近では週末になるとクラシックなどのコンサートも無料で公開されています。
私のお気に入り場所は、島の端にある売店の屋上です。この建物も以前は取水ポンプ場であったという事ですが、今は改造されて一階はレストラン、二階がカフェになっています。
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ここのコーヒーはお世辞にも美味しいとは言えないので、私はお勧めできませんが、屋上には自由に出入りできるので、人気の少ない週末の朝はハンガンを眼下に眺めながら、iPodにお気に入りの音楽を入れて、読書をするのが楽しみの一つになっています。
仙遊島へのアクセスは、ソウル地下鉄2号線のタンサン(堂山)駅4番出口か、または地下鉄2・6号線ハッチョン(合井)駅8番出口から、それぞれ徒歩で約15分程で行けます。夜になるとヤンファ(陽花)大橋から眺める夜景も綺麗なのですが、車の排気ガスに弱い方はタクシーが良いかと思います。
下記の写真は仙遊島から陽花大橋を眺めた風景です。平行して地下鉄二号線が走っているのがわかりますでしょうか?合井駅から歩いて来るとここを歩いてくる事になります。夜になると仙遊島はもちろん、ハンガンに架かる橋が綺麗にライトUPされて実に美しいです。今の時期は緑が一番美しい時期なので、ぜひ観光コースの一つに入れてみては如何でしょうか?
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仙遊島まで来られたならば、ぜひ足を伸ばして欲しいお勧めの場所があります。切頭山(チョルトゥサン)というカトリックの聖地があり、日本人向けの観光ガイドではほとんど紹介されない場所ですが、韓国では知らない人が居ないくらい有名な場所です。
日本でもその昔、カトリック教徒の迫害がありましたが、その当時は韓国でも儒教が根を下ろしていたので、その迫害は相当なものだったようです。この切頭山はカトリック教徒を処刑して、その遺体をハンガンに流した事に由来しています。
礼拝堂と切頭山殉教博物館は無料で利用できるので、韓国のキリスト教の歴史を知る上でも、とても参考になると思います。韓国映画やドラマを観ているとたまに教会のシーンが登場したりしますが、これもまた韓国の生活では切り離せない存在になっています。ここにある礼拝堂は夏場でもヒンヤリとして、日本の神社仏閣にも通じるような神聖な雰囲気が漂っていて、もう一つの韓国の顔を垣間見る事ができるでしょう。夕方の5時ころには礼拝堂は閉まってしまうので注意が必要です。
■編集後記
ここまで読んで下さり有難うございました。
日本の現職大臣の自殺というショッキングな事件は、韓国でも新聞の一面に載るほど話題になりました。私のいる会社でも日本ではなぜ自殺者が多いのか?という事を聞かれたりしますが、私も答えに困ってしまうところです。日本にはもともと切腹という習慣があり、何か問題が発生した場合はあれこれ言い訳をしないで責任を取るという考え方(文化)は、韓国人にとってはなかなか理解するのが難しい一面でもあります。
韓国でもある大手財閥の総帥が息子の喧嘩の報復に関与したということで、騒然となりましたが、こちらは最後まで否認し続けている姿を見ると何とも対照的だな、、、と思うのは私だけでしょうか?
それでは皆さん、アンニョンヒケセヨ~!!