韓国在住14年、Takeさんの韓国情報ブログのバックナンバーです。
Takeさんの韓国見聞録 2007.07.28発行 NO.69
<古くからの友人、韓国をよく理解するための日本人サラリーマン日記>
Takeさん@韓国ソウルです。
皆様、お久しぶりです!!
5年越しのプロジェクトが最終段階に入ってきて、先月から本当に忙しい毎日を過ごしていました。このような状態を韓国では「チョンシニオプタ(正心が無い)」と表現しますが、まさにそんな感じでした。仕事もピークを超えたので、何とか一息ついてこのようにメルマガも出せるようになった次第です。もっと余裕を持って生きたいと思いますが、これは読者の皆様も同じですよね。暑い夏はこれからですが、夏バテする事なく元気に頑張りましょう!!
■本日のサラリーマン日記 「韓国の小学校事情」
最近の日本の小学校、とりわけ都市部の小学校では監視カメラや守衛さんがいて、外部の人は簡単には校内に出入りできないと聞きました。私が子供の頃に比べると、日本の子供の取り巻く環境もかなり変わってきたものだと驚かされます。
それに比べると韓国の小学校はまだまだ開放的です。特にソウル市内は公園や空き地が極端に少ないので、学校のグランドは本当に貴重なのです。夜8時を過ぎる頃になると家事を終えたおばちゃん達がウォーキング運動を始めます。両手を高く振りながら独特のスタイルでグランドを歩くその姿は、まるで水族館でマグロの回遊を見ているようです。その横では子供たちがサッカーやバトミントンをして遊んでいます。そして日曜になると近所のおじさん達によるサッカーの試合が始まります。そんな感じで韓国の小学校は市民の生活から切っても切り離せない存在なのです。
韓国も日本と同じ6.3.3制で中学までが義務教育です。このような基本的なシステムは植民地時代に日本が確立したので、それ以外にも日本と韓国の教育スタイルはとても似通っています。あえて差があると言うならば、国旗掲揚や国歌を歌う事が多く、愛国心を育てる教育に非常に重点を置いている所かもしれません。また、外的に見ると体育館やプールが無いのも日本との違いかと思います。体操着なども特に同じものを着るというのはなくて、普段着で運動しているのも面白いと思いました。
そしてさらに異なる点は韓国の子供たちは二つの学校に通わなくてはいけない点です。学校が終わると学院(ハゴン)と呼ばれる学習塾やピアノ、水泳などの習い事が待っているのです。
学校の授業が終わった後に自宅で一休みできるのは良い方で、普通は学院からの迎えの車が待機していて子供達を第二の学校に連れて行きます。習い事で人気のあるのはピアノ、テコンドー、剣道や美術、習字やソロバンなど実に多種多様です。そして小学生でも高学年になると英会話学院に通うケースも目立ってきます。また、最近は初期留学と言って小学6年生くらいからアメリカや英語圏への留学もありで、色々と問題になっています。
だいぶ以前に以下のような新聞記事を見かけましたが、日本もかなり変わったものだと驚かされました。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20070618ur01.htm?from=yoltop
韓国でもこの手の傾向は強くなっていますが、まだまだ「先生」の権威は凄いものがあります。これは儒教の影響が残っているためだと思いますが、父兄参観などで、小学校の授業を見ていても、「先生」という地位の高さを感じます。しかし、一昔前の韓国ではそれが故に「寸志」と呼ばれる所謂、先生に対する賄賂が公然として認められていた時代もあったようです。
あと、韓国にあって日本に無いものの中に、「準備物」というのがあります。準備物というのは翌日の授業で使うものを予め準備しておく事を言うのですが、具体的には画用紙や折り紙に始まり、ヤクルトのペットボトルや毛糸の紐など、ありとあらゆる要求が来ます。母親が忙しい時などは私も準備物のために文房具屋をハシゴして奔走する事になるのですが、これが実に厄介な制度なのです。
私が小学生だった頃は大抵のものは学校側で一括して準備してくれた記憶があるのですが、韓国の小学校では些細なものまで全て自分たちが準備しないといけません。個人で買うと余計な量まで買ってしまう事が多いし、両親が忙しい場合は準備できない子供も出てくるので、あまり賛成できない制度だと私は思っています。
それと低学年からパソコンとインターネットを使った宿題が頻繁に出るのも目につきます。最近の日本もそうなのかもしれませんが、指定された写真や資料を印刷して持ってくるというような宿題がよく出ます。自宅にパソコンがない家などはどのようにしているのか気になるのですが、結局はオンマたちが奔走して解決するようです。そんなわけで私の自宅も近所のオンマたちで賑わう事が多々あり、私も重宝がられています。
最後に日本人の親としてやはり気になるのは、日本に対する反日教育です。私の友人の奥さんが小学校の先生をやっているので、以前に単刀直入に聞いた事がありました。竹島(孤島)は相変わらず韓国の領土であると強調して教えているようですが、以前に比べて感情意的な反日教育はかなり減少してきたとの事でした。これは地方や学校によっても差があると思われますが、少なくてもソウル市内では、以前のような反日教育は抑えられている傾向があるようです。
私の息子もアッパ(お父さん)が日本人という事で、いじめられたりしないかといつも心配の種が付きませんが、今のところ近所の友人と仲良くやっているようです。ソウル市内のある小学校では、日本の小学校と姉妹血縁を結んでお互いに短期の交換留学とかをしていると聞いた事があります。
私の息子が通っているテコンドーも夏休みには、日本に遠征に出かけますが、小さいさい頃からの交流は大人になってからの相互理解に本当に役立つのではないかと思います。国同士ではまだまだ難しい問題がありますが、せめて子供たちの間では仲良くやって欲しいですね。
■編集後記
ここまで読んで下さり有難うございました。
ご存知のようにアフガニスタンで起きた拉致事件のために、連日、新聞や深夜ニュースが流れています。梅雨明け前のジメジメとした天気と重なり、国内の雰囲気も重たいのですが、一日も早く事件が解決する事を願うばかりです。
韓国では7月末から8月初めにかけて夏休みのピークになります。韓国の会社と仕事をしている方はよくわかると思いますが、日本のお盆休みのようになるので注意が必要ですね。実は今朝も仕事でインチョン空港に出かけて来ましたが、早朝から凄い混雑ぶりでした。ウォン高も手伝って海外旅行に出かける方も急増しているのでしょう。株価も高騰して日本のバブル期を思い出す方も多いかもしれませんネ。
それでは皆さん、アンニョンヒケセヨ~!!
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