韓国在住14年、Takeさんの韓国情報ブログのバックナンバーです。

Takeさんの韓国見聞録      2007.09.03発行  NO.70

<古くからの友人、韓国をよく理解するための日本人サラリーマン日記>

Takeさん@韓国ソウルです。

今年の日本はもの凄い猛暑という事ですが、夏バテとか大丈夫でしょうか?それとは反対に今年の韓国は梅雨が二回来たと言われるくらい冷夏でした。9月に入りさらに気温がさがり、このまま秋夕(チュソク)を迎えて秋になってしまうのかと思うと、何となく寂しい限りです。

今年は真っ青な空に白い入道雲をほとんど見る機会が無かったように記憶しています。また、アフガニスタンの拉致事件もようやく解決の方向に向かっていますが、今年の夏ほど韓国人にとってタプタプパダ(息苦しい)な夏はなかったように思えます。

■本日のサラリーマン日記「韓国のチキン大戦争」

韓国の小学生を10人集めて好きな食べ物は何か? 聞けば7人以上は「チキン」と答えるのではないでしょうか?日本人に比べると韓国人は肉食であると、個人的には思っているのですが、今回、紹介するチキン(鶏肉の唐揚)もやはりその代表的な食べ物だと思われます。

本来、韓国では蓼鶏湯やタクトリタンに代表されるような伝統的な鶏肉料理はあったので、鶏肉と韓国人の相性は非常に良好です。そのような歴史的な背景に後押しされるように、韓国では90年代からフランチャイズ系のチキン屋さんが大流行しました。今では50近くのフランチャイズ店があり、全国には8000件程の加盟店があると言われています。

韓国に来られた方はわかると思いますが、ソウル市内はもちろん、地方の田舎街に行っても必ず、このチキン屋さんはあります。そして中華料理やピザと同様に電話一本で自宅まで配達してくれるのが特徴です。

90年代前半ではペリカナチキンとチョガチプチキンという二大フランチャイズ店が激戦を展開していました。特にペリカナチキンは今ではすっかりその存在感が薄くなってしまいましたが、その昔はチキンと言えば無条件にペリカナチキンという感じで、他に選択の余地が残されていない時もありました。

最近は時代の流れと共に消費者のニーズが多様化し、本当に多くのお店が誕生するようになりました。また、韓国人の口も肥えてきたので、この業界で生き残るのも至難の業です。そのような状況の中で、私が今の韓国でお勧めのフランチャイズチキン専門店を挙げるとしたら、以下の三店になります。

1.BBQチキン http://www.bbq.co.kr/

このお店の最大の特徴はオリーブ油で揚げる事です。世界的な潮流でもあるWell-being食品は韓国でも大流行ですが、今までのチキンは油の管理が良くなくて、お店によってかかなり品質の違いがありました。この点を改善した事により、子供はもちろん若い女性からも人気を得ているのだと思います。

また世界進出もかなり精力的に挑戦しているみたいで、以前は日本にも乗り込んで行くという事で話題になった事もありました。日本では果たして上手く成功しているのか私も興味深いところです。

2.キョウチョンチキン http://kyochon.com/

現時点での私の一番のお気に入りが、このキョウチョンチキンです。周囲の韓国人に聞いても、このお店の味にはまっている方を多く見かけます。会社でもたまにチキンを注文する事がありますが、このお店に頼むことが多いです。日本では珍しくない醤油味のチキンが売りで、瞬く間に店舗を拡大していった感じです。

値段が他に比べると少し高めになりますが、中身の引締まった若鶏と醤油味の風味が何とも言えません。この店が登場する前は塩味のフライドとエビチリソースのようなヤンニョムしかなかったチキン業界に革新をもたらしたお店だと思います。最近は少し食べ飽きた感がありますが、韓国生活が長い日本人にとっては懐かしい味だと思います。

3.クムネチキン http://www.goobne.co.kr/

上記の二店に比べるとかなり後発なのですが、最近、注目しているお店です。ここの特徴は何といっても油を使わずに、オーブンで蒸し焼きにする事なのですが、私のような肥満体質にはお勧めのお店です。多少、淡白で味気ない部分もありますが、健康にはグッドだと思います。

チキンの味はやはり油の質によってかなり左右されると思うのですが、韓国のフランチャイズ専門店の場合は、業務マニュアルで指示されているにもかかわらず、古い油を使っているお店もあるようで、このようなオーブンを使って調理するアイデアは中々のものだと思いました。以下のビデオを見ると、思っている以上にシステム化されている事がわかります。

http://www.goobne.co.kr/movie.htm

ハングルなので何を言っているのか理解するのは難しいかと思いますが、映像を見ているだけで雰囲気は掴めると思います。このお店に関わらず、大手のフランチャイズ専門店はこんな感じでやっているのでしょう。

以上は韓国を代表するお店ですが、実はこれ以外にも沢山のフランチャイズ店が後を絶たず、時代の変化と共に仁義なき戦いを展開してきました。韓国のアパートやビラなどのドアには、よく広告チラシが貼られていますが、大半はピザかチキンの広告です。

他にも紹介したら限が無いので、これくらいにしておきますが、今回、紹介したフランチャイズ系のお店は調理方法や味付けは千差万別ですが、共通点として食材に使う鶏は、人口肥料で育てられた養鶏場からのものを使っていると言う事です。

それとは対照的に、在来市場の中にある個人店でも、いぶし銀の味を出しているお店もあるのです。その昔、キムジェという田舎町で食べたチキンが本当に美味しかった事を今でもよく覚えています。お店の名前を忘れてしまったので、皆様に紹介できないのが残念ですが、そのお店では養鶏場ではなく、自然の畑で飼いならした身の引き締まった鶏だけを使います。しかも1日に売捌く量が限定されていて、毎朝、新しい油に交換するという拘りのお店でした。配達サービスも無く、無料のコーラも付きませんが、機会があればまた食べてみたいです。

次にビジネス(事業)という観点から韓国のチキン屋さんを紹介したいと思います。日本に比べて個人事業者が圧倒的に多いのが韓国です。気に入らない上司や会社組織に縛られる事を好まない傾向が強いのか、もしくは独立心の強い国民性が原因だと思うのですが、個人事業者がとにかく多いです。

実は個人事業を立ち上げる場合に、このチキン屋はとても人気があります。フランチャイズ店として始めるわけですが、運営ノウハウは比較的に単純であり、失敗する確立が低い事が人気の秘密と言われています。先に紹介したキョウチョンチキンでは加盟店の閉店率が0%台であると新聞で見た事があります。

日本でもその昔、脱サラしてほか弁屋さんをするのが流行った時期がありましたが、韓国でも同じような感じで、昨日までは大企業の課長さんをやっていた方が、今では夫婦でチキン屋をやっているという感じです。

今回、紹介したチキン屋さんは、まさしく韓国の庶民の味と言えるのではないでしょうか?お父さんはビールのおつまみに、子供たちはご飯のおかずや3時のおやつの定番とも言える食べ物です。観光で来られた場合、一部の超高級ホテルはフロントで断られてしまう可能性がありますが、大抵はホテルから電話すれば直ぐに配達してくれると思います。

また、携帯電話があれば漢江公園など、特定の住所が無くても配達員がこちらを探し出して配達するという逞しい商魂で迫ってきます。高級な焼肉や韓国料理に飽きてしまった方は、ぜひこの味にも挑戦してみて下さい。

■編集後記

ここまで読んで下さり有難うございました。

いつの間にか気が付いたら、このメルマガも70回を向かえる事ができました。最近は公私共に色々あって、じっくりとパソコンの前に座る事ができず、以前に比べてペースが落ちてしまっていますが、焦らずにマイペースで続けて行きたいと思っている次第です。読者の皆様の中からは心配と激励のメールを頂く事もあるのですが、これからも気長に付き合って頂ければと思います。

ところで、日本でも人気のあるコンサンウ氏が最近、カンナムの某高級フィットネスクラブでご自慢の肉体を鍛えているようです。先日、私の友人から聞いた話ですが、サンウ氏と肩を並べてランニングマシンに乗ってきたで~!!と自慢していました。暴力団関係の事件もあり色々と大変だったサンウ氏ですが、本格的な再起のために準備に余念がないようです。

私もチキンなど食べていないでダイエットに励まないといけないのですが、高級フィットクラブには先立つものが無くて行けそうにありません(泣)

それでは皆さん、アンニョンヒケセヨ~!!

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