韓国在住14年、Takeさんの韓国情報ブログのバックナンバーです。
Takeさんの韓国見聞録 2007.09.17発行 NO.71
<古くからの友人、韓国をよく理解するための日本人サラリーマン日記>
Takeさん@韓国ソウルです。
先週の週末は台風の為に天気は最悪だったのですが、今日は台風一過で清々しい青空が広がっています。私のいる江南のオフィスからは、遠くに北漢山や道峯山の山並みを綺麗に見ることができます。
中国からの黄砂や慢性的なスモッグのために、青空を見れる日が本当に珍しくなってしまった感がありますが、これからの数ヶ月間は少しでも多く、このような青空を眺めていたいものですネ。韓国に観光に来られるならば、やはりこれからの時期がお薦めではないかと思います。
■本日のサラリーマン日記「韓国のオートバイ事情」
「日本にあって、韓国に無いものを挙げて下さい」という質問があれば、私なら「革ジャンに黒髪をなびかせて、大型バイクで疾走するアガシ」と答えます。今年で韓国生活15年目に突入した私ですが、今まで一度もこのようなアガシ(若い女性)を目撃した記憶がありません。
日本なら箱根や湘南辺りに行くと、自分の体よりも大きいバイクを颯爽と運転している若い女性をたまに見かけますが、韓国ではまだまだその域には達していないようです。しかし、ここ数年で韓国のバイク事情がかなり変化してきました。
というわけで今回は、韓国のオートバイに関する話をしたいと思います。バイクに関心の無い方には面白くないかもしれませんが、日本に居た頃はバイクのツーリングが趣味だった私にとって、韓国のバイクを見る度に様々な思いを巡らせていました。お国が異なるとこうも違うのかと思わされる事が多いです。
韓国のバイクに関しては、大きく分けて以下の三つのタイプが挙げられます。
1)最初のキーワードは「配達」です。彼らは生きるために今日も必死に走っています。前回のメルマガでチキンの配達の話が出ましたが、中華料理やピザなど配達文化の発達した韓国では、絶対に必要不可欠な存在なのです。彼らが使うバイクは100CCクラスのもので、日本のスーパーカブのようなバイクですが、100CCあるので結構パワーもあります。
また、「配達」でもうひとつ忘れてはならないのは「クイック」と呼ばれる、即配サービスです。書類や小さい荷物を運んでくれるもで、これは渋滞の激しいソウル市内で活躍します。我々、ビジネスマンにとっては非常に頼りになる味方です。クイックのアジョシに受け取り先の携帯番号だけ教えてあげれば、どんな所でも探し出して、数時間のうちに配達してくれるのです。
彼らの使っているバイクは、韓国の二大バイクメーカーであるデーリムかヒョーソンから出ている、200~400CCクラスのバイクが主流です。かなり危険な速度で爆走して、ヘルメットに携帯電話を固定し、話をしながら走行するという離れ技も披露してくれます。「配達は」は時間が勝負なので、信号無視はもちろん、歩道でもガンガン走りますから海外からの観光客は注意が必要です。
2)次に挙げたいのは「中年ブルジョアハーレー族」です。これはごく少数ですが、私が韓国に始めて来た頃から健在でした。ハーレーやBMW、ホンダなどの超高級バイクを愛用していて、いつもピカピカに磨きをかけています。
彼等は自分の奥さんよりもバイクが大切で、週末になるとソウルから春川に向かう、国道46号線辺りで多く見かける事ができます。この手の趣味は日本では当たり前のようにありますが、韓国の場合は前にも挙げたように、若いアガシでこれをやっている方を見た事がありません。
3)最後に紹介したいのが、ここ数年で急増したおしゃれなミニバイクです。無断変速で運転のし易いスクータータイプが大流行しています。国内メーカーもそれなりに頑張っていますが、日本からの輸入品をかなり見かけます。
「ローマの休日」ではないですが、ノーヘルで後ろに可愛いアガシを乗せて、優々と走っていたりします。私は車の中から見ていて怖くなりますが、韓国では日本程にヘルメットに厳しくないので、この手の連中をよく見かけます。ただ、原則的には違反なのでたまに捕まっている場面も目撃します。
そして、バイクと言えば一昔前までは男の乗り物という印象がありましたが、最近はこの手のおしゃれミニバイクに乗る若いアガシが激増している事です。
韓国では儒教の精神から、若い女性が自転車などに乗るのは、恥ずかしい事であるという固定観念が強く、その影響で自転車に乗れない中高年のアジュマは沢山います。その昔は若い女の子がバイクに乗るのはタバン(韓国の喫茶店)のアガシくらいしか居なかったのですが、最近は本当に変りました。
それ以外に補欠ということで「暴走族」を挙げたいです。韓国にも暴走族はありますが、これが実に子供のようで可愛いです。バイクは国産の安物で大きくても250CCくらいが主流です。群れていてもせいぜい20人くらいの小集団で、日本程の迫力はありません。機会があれば、彼らを湘南の江ノ島あたりに招待して、ホンモノの暴走族を見学させてあげたいです。
韓国のバイクのメッカは地下鉄4号線の忠武路駅周辺です。日本やヨーロッパ、アメリカからの輸入バイクもかなり展示されているので、私もたまに近くまで行く用事があると、つい寄り道してしまいます。
日本に居ると実感できないと思いますが、日本のバイク技術は世界のトップクラスです。韓国でも高い評価を受けていて、私が日本人であるとわかると羨望の眼差しで見られる事が多く、私も鼻高々になってしまう事がありました。
私が愛用していたホンダCB400は、韓国でも人気があって、まだ韓国語が満足にできなかった頃でも、バイクという共通のテーマでかなり盛り上がった事を記憶しています。
私も韓国でバイクを購入してツーリングに行こうと、何度も誘われましたが、韓国では未だに高速道路では乗れないのと、バイクそのものの社会的地位が低い事もあり、韓国でのツーリングは諦めている次第です。
韓国ではまだまだ「大きいモノ」が好まれる傾向があります。97年のIMF危機の頃は、ソウルでも軽自動車を多く見かけましたが、最近は本当に姿を消した感があります。この大きいモノ好きはこれからも続いていくと思いますが、そのような中でも確実に若い層を中心に考え方が、変化している事をオートバイ一つを見ても感じるこの頃です。
最近の日本の若者の間では、自動車が売れなくなってきたというニュースを耳にしましたが、韓国の若い衆の考え方も確実に変化しているのでしょう。
日本は小さくて可愛いモノが好まれる傾向がありますが、それだけ両国の交流が活発化してきて、お互いの思考方法に影響を与えているのだと思います。
■編集後記
ここまで読んで下さり有難うございました。
実は先週の土日は釜山の方に行って参りました。ビジネスではないのですが、私の仲良しの友人のお願いで、日本から来るお客さんの観光案内をして欲しいという依頼でした。
この方は韓国の古代遺跡やお墓に関心のある方なのですが、以前にメルマガ(No.64)で取り上げた「沙也可」の事をお話したら、ぜひ行って見たいとの事。
http://blog.mag2.com/m/log/0000138478/108335095.html
釜山駅前でレンタカーを借りて、沙也可の眠る友鹿洞(ウロクトン)まで行って参りました。台風前の激しい雨と風の中でしたが、何とかお墓参りもできて、体力は消耗しましたが、有意義な小旅行を満喫してきました。
それでは皆さん、アンニョンヒケセヨ~!!
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