韓国在住14年、Takeさんの韓国情報ブログのバックナンバーです。

Takeさんの韓国見聞録      2007.11.09発行  NO.72

<古くからの友人、韓国をよく理解するための日本人サラリーマン日記>

Takeさん@韓国ソウルです。

いつの間にかご無沙汰してしまいました。今回はお知らせしなければならない事があります。実は先月末にこれまでお世話になっていた、韓国の会社を退職し、家族で日本に完全帰国を果たしました。10月は会社業務の引継ぎや引越しで、思い出すのも怖いくらい忙しい毎日を過ごしていました。こうして無事に日本に来れたのが不思議でなりません。

私は一人っ子という事もあり、数年前から帰国の機会を模索していたのですが、今年の8月に5年越しの大プロジェクトが無事に終了した事もあり、会社の上司を何とか説得して円満退社の運びとなりました。

帰国して2週間くらいが経過しましたが、インターネットも繋がり、携帯電話もできてようやく一息入れているところです。ちょうど人生の折り返し地点で、このような決断をしたわけですが、正直に言ってかなり勇気が必要でした。15年ぶりの日本はどこか外国に来たような気分でもあります。

まあ、これで韓国と縁が切れてしまうのではなく、新しい仕事もおそらく韓国絡みになると思うので、これからもボチボチつまならい日記を続けていこうと思います。これからもヨロシクお願い致します。

■本日のサラリーマン日記「携帯電話で見る日韓文化考」

前書きがいつもよりも長くなってしまいましたが、帰国に伴い自分の携帯を持つ事ができました。今までは一時帰国だったので、母親の携帯を借りてその場を凌いできましたが、こうして自分の携帯電話ができると嬉しいものです。

韓国を出発する時も、「早く携帯を作って番号を教えろ~!!」とういのが別れの挨拶となりました。それくらい携帯電話は身近なものになり、我々の社会生活に欠かせないモノになっているのでしょう。

以前から感じてはいましたが、日本での携帯電話生活が始まり、韓国との違いを色々と考えさせられる世界があったので、自分になりに整理してみる事にしました。

日本も韓国も同じような時期から、携帯電話が普及し始めたと思われますが、日本の場合はメールやアイモードなるものが発達し、電話としての機能はもちろんですが、それ以上にメールやネットを使う道具という感じがします。一方、韓国ではワンセグのような機能も充実してきましたが、まだまだ話す道具というイメージが強いです。

これは地下鉄などに乗っていると、両国の違いが鮮明になり、見ていて実に興味深いです。日本の場合は一人でメールやネットに興じているのに対して、韓国ではワイワイと話をしている方が圧倒的に多いことです。別に聞き耳を立てているわけではないのですが、話の内容を聞いていると、そんな事は会ってから話せば良いような事ばかりで、よくもそんなに話が尽きないものだと呆れてしまいます。

日本の場合はごく親しい友人や家族を除いては、電話を掛ける事にかなり神経を使うし、相手の都合を考えて遠慮してしまう方が多いと思われます。そこで相手のペースを邪魔しないメールという手段に走ってしまう傾向があるらしく、私の携帯にも電話の数と同じくらい、メールが飛び込んで来るようになりました。まだ、日本の携帯メールの入力に慣れていないので、直ぐに電話してくれたら良いのに、、、と思うのは私だけなのでしょうか?

韓国で1年くらい生活した方なら、「安否電話(アンブチョナ)」という言葉を聞いた事があると思います。日本では聞き慣れない言葉ですが、直訳すると読んで字のごとく相手の安否を伺う電話という事です。

韓国で生活していると、実に何気ないことで電話がかかって来ます。相手が勤務中であろうと、運転中でもまったく気にしないという感じです。韓国生活をしていくに当たり、これがストレスになって疲れ果ててしまう日本人を何人か知っています。

「今、何をしているの?」とか「ごはん食べた?」など、実にたあいのないことで電話をしてきます。私のお世話になっていた会社では、仕事中でも長話でなければ暗黙の了解で、個人通話が許されているような雰囲気がありました。これを日本でやったら大変な事になるのではないでしょうか?

ストレートで思ったことは直ぐに行動に移さないとストレスが溜まってしまう国民性のためか、韓国人と電話というのは実に相性が良く、携帯電話が登場する以前から電話は韓国社会には無くてはならない必需品です。

今年の韓国での携帯電話利用者数を調べたら、およそ4100万人で人口の約9割は携帯を持っている計算になります。これほどまでに携帯が普及した理由を考えてみると、親子で話をしたい時にいつでも話せるアイテムだからだと私は分析します。

http://contents.innolife.net/game/list.php?gc_id=12&gi_id=1424

親が話をしたい時に話す、、、これは韓国社会ではとても重要なポイントです。デート中でも母親から電話が来ると話し込む男性は珍しくなく、日本ならマザコンとして、彼女から嫌われてしまうかもしれませんが、韓国社会ではまだまだ当たり前の光景なのです。

実は今回、日本での携帯キャリアを選択する時に、非常に悩んだ末にソフトバンクを選びました。ソフトバンクが家族間の無料通話を始めましたが、ソフトバンクの孫会長はやはり韓国人の血が流れているのだなぁ、、、などと勝手に考えたりしていました。しかし、韓国でこのサービスを始めたら、直ぐに電話会社は倒産するでしょう(笑)

日本に比べて家族や親族間の絆がまだまだ強い韓国では、携帯で常に連絡を取り合いながら、お互いの絆を確認し合う事はとても重要なのだと思われます。

そして、日本に来て驚いたのは「オレオレ詐欺」とうものです。常識では考えられませんが、私の自宅にも過去に2回ほどかかってきたそうです。母親が自分の息子は韓国にいると言ったら、その場でブチッと切れてしまったそうですが、日頃から親子間で親密に連絡を取っていたら、もっと被害を少なくする事はできないでしょうか?

それともう一つ、韓国で携帯を使っていて気が付いたことは、間違い電話などをしてしまった場合、相手の携帯には自分の番号が着信記録に残っているで、それを見て電話をかけてくる方が意外に多いと言うことです。

日本なら誰ともわからない番号の場合は、そのままにしておく事がほとんどだと思います。しかし、韓国では「携帯に番号が表示されていたので、電話しました、、、」という感じで向こうからかかって来る場合が結構あります。

日本でも営業等の仕事をしている人なら理解もできますが、韓国では一般の主婦や学生風の若い方からもこんな感じで電話を貰うことがよくありました。

また、会社などの組織では、同僚にかかってきた携帯でも、本人が不在の時は代わりに電話を取って応答してしまう事が、日常茶飯事です。私などは若いアガシの携帯は怖くてとれませんが、女の子はよく携帯を机の上に置いてトイレに行ってしまう事が多く、何度か上司の命令で恐る恐る電話を取った記憶があります(彼氏からの電話だったらどうのように対応して良いのか焦りました)

日本の常識では理解し難い事も多々あり、これを日本社会でやらかすと大ひんしゅくになる事もあるので、私もこれから日本で生活するにあたり、かなり注意しなければと肝に銘じている次第です。

まあ、これ以外にも挙げたらキリが無いのですが、こんな感じの韓国社会なのでとにかく情報の伝達は早い事は確かです。情報化社会と叫ばれて久しいですが、日本のようにメールに頼り過ぎていると、国際競争に取り残されてしまうのではないか、、、?なんて思ったりもしている今日、この頃です。

■編集後記

ここまで読んで下さり有難うございました。

既にブログやミクシィ等では、日本帰国の件をお知らせしたのですが、メルマガでは遅れてしまいスミマセンでした。私が韓国に行った頃は、インターネットの黎明期でもあり、今のようなネット社会は想像もできませんした。これからは今まで以上に日本と韓国との国境を意識しなくなるようになってくると思われます。こうしてメールだけを見ていると、どこに住んでいるかはまったく関係ないという事ですネ。

少なくても私個人の中では、韓国の永住権もあるのでビザの心配は必要なく、両国とも自分の母国のような存在になりました。 これから韓国や韓国人に興味を持った方に対して、少しでも何かお手伝いができれば幸いです。

いつまでこのメルマガを続けられるのか自信はありませんが、これからも今まで同様、ヨロシクお願いします。

それでは皆さん、アンニョンヒケセヨ~!!

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