韓国在住14年、Takeさんの韓国情報ブログのバックナンバーです。

Takeさんの韓国見聞録      2008.01.30発行  NO.76

<古くからの友人、韓国をよく理解するための日本人サラリーマン日記>

Takeさん@韓国ソウルです。

TVの天気予報を見ていると、この冬一番の冷え込み!!とアナウンスされる事が多いですが、私に言わせると東京は寒いと言いながら、氷点下を下回る事はなくとても暖かく感じます。私の体の中にはソウルでの凍てつくような寒さがまだ記憶されているためか、背広一枚でオフィスの外に出てしまい、異様に目立ってしまう事もしばしばです。おそらく来年辺りは韓国での寒さも忘れてしまい、寒い寒い!!と悲鳴を上げていると思います。

■本日のサラリーマン日記「サラリーマンの味方 構内食堂」

「構内食堂」という言葉を聞いた事があるでしょうか?日本ではあまり聞き慣れた言葉ではないかと思いますが、韓国語ではクネーシクタンと発音し、よく使われる言葉です。韓国において構内食堂とは、一般的に大学や役所などの公的な行政機関等の建物にある格安の食堂を意味しています。セルフサービスが基本で、小学校の給食の時間で使っていたようなアルミ製のお盆に、自分の好きな分だけおかずを入れていくというスタイルです。

価格が市価の半額程度で済む反面、サービスや味を要求する事はできないというのが一般的な認識ですが、今回、私が紹介する構内食堂は味も価格も両方を満たしており、しかもソウルの一等地にあるシロモノです。

その場所は、ソウル特別市中区太平路1街25にあるプレスセンタービルの地下にあります。住所だけ言われてもピンとこない方がほとんどだと思いますが、以下の地図と写真にあるように、ソウル市庁の直ぐ後ろ側にあるビルの事です。ソウルに何度か行かれた方は見覚えのあるビルだと思います。

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以前にもお話した事があるかもしれませんが、私が働いていたオフィスがこのプレスセンタービルにあった事もあり、私もここの構内食堂には3年程お世話になりました。

このプレスセンタービルの周辺には、観光客にも有名な食堂やレストランが乱立していますが、忙しいサラリーマンにとってこの構内食堂は、本当に強い味方でした。

構内食堂の利点を挙げると、まず値段が安いことです。また、自分で食べる量を調節できるので、その日の体調に合わせてコントロールできる点も良かったです。そして何よりもエレベータをス~と降りて、食堂に直行できる事が有難く、寒い日や雨の日は本当に助かったと記憶しています。

料理も1日に二種類の日替わりメニューなので、あれこれと迷う必要がないのも助かります。サラリーマンにとって昼休みの1時間は、砂漠のオアシスのように貴重なもので、如何に早く食事を済ませて自分の時間を持つかは世界共通の課題でしょう。

実は今回、構内食堂の記事をメルマガで流そうと思ったきっかけは、私が日本に来てからの職場が、東京駅近くの高層ビルになった事もあり、以前に似たようなプレスセンタービルの事が急に懐かしくなったからでした。

このソウル市庁を中心とした地域から光化門にかけての一帯は、東京で言うと丸の内のオフィス街のようなものだと思います。東京駅周辺のオフィス街を歩いていると、ふとプレスセンタービル時代にタイムスリップしたような感覚になる事があります。ただ、ソウルに居た頃と少し違うのは、日本はテイクアウト系のお店が多く、若い女の子はお店ではなく事務所に持ち帰り、一人でパソコンを見ながら食べている光景が目立つ事でしょうか?

話は少しそれてしまいましたが、このプレスセンタービルの構内食堂は、ソウルのビジネスマンはもちろん、一般市民にとっても有名な名所なのです。中には明らかにサラリーマンではない、杖をついたお爺さんのような方が堂々と食事をしているのは何とも滑稽でした。

今はどうなっているかわかりませんが、私が居た頃は、かの有名な新羅ホテルが管理しているという事で、そこで使われる食材や、働いているシェフは新羅ホテルから調達してきたものであると聞かされていました。地方の工業団地などにある構内食堂などは、あまりの不味さに気絶しそうになりますが、ここの料理は本当に美味しかったです。

プレスセンタービルは、カンナム地域に出来たガラス張りの最新オフィスビルに比べると見劣りしますが、大統領選挙で当選すると第一声を挙げるのは、このビルである事は有名です。名前の通りマスコミ関係の中心的役割を果たしているので国政に影響するような、大きな記者会見はこの場所で行われるのが通例です。私もビルのロビーで有名な政治家や芸能人を、何度か目撃する事がありました。

ビルの賃貸料も周囲に比べると、かなりお高く設定されているますが、人気があるので常に満室でした。ビジネスをする中で初対面の方と名刺交換をする時も、住所がこのプレスセンタービルであると、明からに相手の態度が変わる事は良くありました。どこに事務所を置いているかで、初対面の相手を判断する傾向は韓国の方が強いと個人的には感じています。

近年は清渓川(チョンゲチョン)が完成し、江北地域の威信を取り戻してきた事もあり、プレスセンタービルの周辺も活気を取り戻してきた様に感じます。

ここのビルから眺める青瓦台と景福宮は実に美しく、私はとても気に入っていました。また、2002年のワールドカップの時は、ビルの周辺が応援団の為に真っ赤になってしまい夜中まで帰る事が出来なかったハプニングも、今は懐かしい思い出です。

前回のメルマガに続き、食べ物の話が続いてしまいましたが、今回、紹介した構内食堂はネットや観光ガイドにもほとんど紹介されていないようなので、機会を見つけてぜひ足を運んでみてください。ただ、一般の食堂とは異なり、午前11時頃から午後2時頃までに行かないと、食事にありつけないので注意が必要です。

■編集後記

ここまで読んで下さり有難うございました。

昨年の暮れ辺りから新しいプロジェクトに参加するようになり、目の回るような忙しさに振り回されています。ソウルに居た頃にように通勤電車に揺られる日々ですが、駅のホームでは綺麗に行列を作って待っているし、エレベータの乗り降りもお互いに譲り合い、自分の中でも忘れていた何かを思い出しながらの生活です。何となく物足りないというか、周囲の人に気と使いすぎて息苦しくなる時もありますが、自分でも慣れていくのがわかります。最近は身勝手な振る舞いをする人が増えてきていると思っていたのですが、まだまだ日本人らしさはそこかしこに残っているというのが私の感想です。

それでは皆さん、アンニョンヒケセヨ~!!

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