「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気の方法

3月31日に「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気の方法ついて、厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生課から各自治体に通知が出されました。

新型コロナウイルス感染症の集団発生防止のためには、①換気の悪い密閉空間、②多数が集まる密集場所、③間近で会話や発声をする密接場面、の3つの密を避ける工夫が必要であると言われています。今回、厚生労働省からリスク要因の一つである「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気方法が示されました。

ビル管理法(建築物における衛生的環境の確保に関する法律)における空気環境の調整に関する基準に適合していれば、必要換気量(一人あたり毎時30立米)を満たすことになり、「換気が悪い空間」には当てはまらないと考えられます。そのため、以下のいずれかの措置を講ずることを商業施設等の管理権原者に推奨しています。

① 機械換気(空気調和設備、機械換気設備)による方法

  • ビル管理法における特定建築物に該当する商業施設等については、ビル管理法に基づく空気環境の調整に関する基準が満たされていることを確認し、満たされていない場合、換気設備の清掃、整備等の維持管理を適切に行うこと。
  • 特定建築物に該当しない商業施設等においても、ビル管理法の考え方に基づく必要換気量(一人あたり毎時30立米)が確保できていることを確認すること。必要換気量が足りない場合は、一部屋あたりの在室人数を減らすことで、一人あたりの必要換気量を確保することも可能。

② 窓の開放による方法

  • 換気回数を毎時2回以上(30分に一回以上、数分間程度、窓を全開する。)とすること。
  • 空気の流れを作るため、複数の窓がある場合、二方向の壁の窓を開放すること。窓が一つしかない場合は、ドアを開けること。

空気環境の調整に関する基準

ビル管理法に基づく空気環境の調整に関する基準は以下の表のとおりです。

1 浮遊粉じんの量 0.15mg/m3以下
2 一酸化炭素の含有率 10ppm以下
3 二酸化炭素の含有率 1000ppm以下
4 温度 17度以上28度以下
居室における温度を外気より低くする場合は、その差を著しくしないこと
5 相対湿度 40%以上70%以下
6 気流 0.5m/s以下
7 ホルムアルデヒドの量 0.1mg/m3以下

特定建築物とは

特定建築物とは、建築物における衛生的環境の確保に関する法律(略称:建築物衛生法、ビル管法)に基づいて、維持管理の基準が定められている建築物です。

興行場、百貨店、集会場、図書館、遊技場、店舗、事務所など多数の者が利用する建築物のうち、延べ面積が3000平米以上の建築物が、特定建築物として規定されています。(学校は延べ面積が8000平米以上)

建築物衛生法では、特定建築物について、厚生労働大臣の免状を持つ「建築物環境衛生管理技術者」にその維持管理の監督させることや、空気環境の調整、給水及び排水の管理、清掃、ねずみ、昆虫等の防除などの管理基準が定められています。日本全国で、約4万棟の特定建築物があります。

令和2年3月31日付け事務連絡(厚生労働省)「「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気の方法」の周知について(PDF)

「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気の方法(PDF)

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